2010/02/25

てっぺん!の朝礼 / 大嶋啓介

スタッフの夢とやる気に火をつける! てっぺん!の朝礼

年間に1万人もの見学者が訪れるという個性的な居酒屋「てっぺん」の朝礼。「てっぺん」の創業者自身がその朝礼について語る一冊。

この「てっぺんの朝礼」についてはテレビ番組で紹介されているのを一度見たことがあり、そのとき僕はどちらかというとネガティブな捉え方をしてしまいました。正直、「暑苦しいなぁ・・・」「気持ちワルイなぁ・・・」と思ってしまいました。

こういう本や考え方に対しては、好きな人と苦手な人とが大きく分かれるかと思います。僕はどちらかというと苦手な方でした。でも、ずっと気になっていたので、この「てっぺん」がなぜそんなに魅力的と言われるのかを調べるために、そして、自分がなぜネガティブな捉え方をしてしまうのかを調べるために、手に取ってみました。


・・・結論としては、読んでよかったです。印象が大きく変わりました。まぁ細かいやり方(HOW)については色んなやり方があるだろうし、「てっぺん」のやり方はそのひとつとしてありかなと思う程度ではあったのですが、「朝礼」のそのそもそもの目的を聞くと、「あぁ、それっていいなぁ」と素直に思いました。また、てっぺんのチーム作りもステキです。

てっぺんの朝礼は夢をかなえるためにあります
そして、夢は、日付を入れ込み、人に宣言し、有言実行の思いで毎日働くことで、必ずいい形となって自分に帰ってくるものです。

居酒屋は、グチを言うためだけの場所ではありません。夢を語り合い、前向きな言葉が飛び交うことで人々が日々を前向きに過ごせるチャージのための場所です。

てっぺんの社員になる唯一の条件は「将来経営者になりたいか」だそうです。経営者になるというたった1つだけど大切な部分が共有できることで、お互いがお互いにいい刺激を与える良いチームが生まれているのだと思います。

以下、本書の中から印象的だったポイントを抜粋します。

人間は食べ物がなければ決して生きていけませんが、同様に、心の栄養がなければ絶対に生きていくことはできないそうです。この「心の栄養」は具体的に何かと言うと、仲間に対して、本気でほめてあげる、本気で話し合ってあげる、本気で叱ってあげる、本気で握手をしてあげる等、「お互いがお互いに『本気で』認め合う」という行為のことです。

(てっぺんの朝礼は…)「スタッフの夢とやる気に火をつける場」 (中略) 「一人ひとりの夢と、今ここにいることの意味と価値をがっちりと繋げてあげること」

「夢を持つと人は輝く」、「夢があるから頑張れる」

「目を閉じて、イメージして下さい。これからの人生、どんな人生にしたいのか。一度きりの人生、どんな人生にしたいのか、最大限イメージして下さい。どう生きるのか、何のために命を燃やすのか。…」

逃げて、土俵に上がろうとしないのが、史上最大にヤバい

成功体験を積み重ねること

成長の早い人間に共通するのは、この「責任感」と「素直さ」

過去と他人は変えられない。でも、未来と自分は変えられる。

「すべての出来事をプラスに変える」
それが「てっぺん」の目指すリーダー像

(松下幸之助のエピソード紹介で……)
ある日、しらけたような顔で電球をみがいている社員さん一人ひとりに対して、松下さんが言いました。
「この電球はどこで光っているか知っているか?」
「子どもたちが絵本を読んでいる。すると、外が暗くなる。家の中はもっと暗くなる。そうなれば、どんな物語も途中で閉じなあかん。でもな、あんたがみがいている電球一個あるだけで、子供たちのドラマは続行や。あんたは電球をみがいているんやないで。子供たちの夢をみがいているんや。子供たちの笑い声が聞こえてこんか? 物作りはな、物を作ってはあかん。物の先にある笑顔を想像できんかったら、物を作ったらあかんのやで。子供たちの夢のために、日本中、世界中にこの電球を灯そうや」


……どれも、熱い人やモノを見ると、たじろいで白けてしまいがちな(僕のような)人に読んでほしいお話ばかりです。2回、3回と繰り返し読んでも、読むたびにモチベーションが上がるように思います。また2回、3回と読みます。

2010/02/14

臨機応答・変問自在―森助教授VS理系大学生 / 森博嗣 2回目

臨機応答・変問自在―森助教授VS理系大学生

ミステリー作家として著名な森氏のもうひとつの仕事、大学教授(助教授?)。そのQA形式の講義録。

この本については以前まとめたのですが、また別のまとめ方ができそうなので、もう一度書きたいと思います。

この本は、大学の助教授として働く森氏の講義の記録を一冊の本にまとめ直したものです。内容はすべてQA形式で、学生が質問を出し、森氏がそれに答える、というもの。
評価は、読者が森氏の価値観に共感できるかどうかで大きく分かれると思います。その価値観とは、「大学に入り、何かを学びたいのであれば、良い質問を立てることをこそ学ぶべき」というもの(そのようなニュアンスのことがまえがきに書かれています)。

森氏が良い質問を立てることを学ぶべきとする理由は、まとめると次の2点になるでしょうか。

1.大学生にもなれば、「教育する」ことなんてできない。
大学生を対象に「教師」という立場にある人にできるのはせいぜい、「学びたい」という強い思いを持った生徒に対して「やり方」を教えることだけ(あるいは、勉強するとこんなことができるようになる、という姿を示すことだけ)。だから、生徒自身に「何だろう?」「知りたい」という強い欲求がないといけない。また、最後に「学ぶ」のは学生自身である。You can take a horse to the water, but you cant make it drink。

2.大学生は、高い授業料に見合うリターンを得ようとしよう。
大学生には、一講義あたり○千円(○万円?)という高い授業料を自分の親あるいは自分が支払っていることを自覚していない人が多い。非常にもったいない(でも、「それはその人の勝手だけどね……」と突き放してもいる)。高い授業料に見合う価値を講義から得るには、自分自身が明確な問題意識を持つことが必要である。そのひとつの方法が「良い質問」を立てることである。
また、「情報」は調べればわかる。「自分の価値観」は自分で決める以外にない。だから、「情報」や「自分にしか解決できない問題」を教師に聞いてはならない(もったいない、あるいはムダになるから)。「教師」に利用価値があるとすれば、それは「知識」「知恵」について参考情報が得られるということだ。


この価値観に共感できれば、1)森氏がこのQA形式の講義をする理由も、2)森氏のひとつひとつの回答の意味も、3)質問に答えない答え方をしている意味も、全体からディティールまですべての背景がクリアに見えてくるように思います。

でも逆に、この意図が理解できてない学生の目には、、、森氏は偏屈で無愛想でイヤらしい教師に映るんだろうなぁ。。。私が学生時代にこの講義を受けてたとしても、森氏の意図を汲み取れたかは、、、あやしいところです。

いい教師です。


最後に目次も。
  1. まえがき
  2. いろいろな質問
  3. 建築に関する質問
  4. 人生相談?
  5. 大学についての質問
  6. 科学一般についての質問
  7. コンクリートに関する質問
  8. 森自身に対する質問


2010/02/13

発想するコピーライティング / 石原雅晴


発想するコピーライティング

著者が担当した宣伝会議のコピーライター養成講座をもとにした、ケーススタディ形式のコピーライティングの本。コピーライティングにおいて押さえるべきポイント、考え方を学ぶことができます。略歴によると、著者である石原雅彦さんは日本デザインセンターでコピーライター、ディレクターを務めた人だそうです。

仕事でコピー(広告文)に関わることが多いので、それに対する理解を深めておきたくて読みました。コピーについては仕事関係なく興味があるので、いくつか本は読んでいます。最近は一冊多く読む度に、「本質はごくシンプルなことで、クリエイティブだとか小難しいものではないのかな」と感じるようになりました(ただ、本質はシンプルでも、それを作るのは大変だと思います)。

事例を中心に「良いコピーを書くには?」というレクチャが進んでいくのですが、とても丁寧に書かれており、コピーについてよく知らない人(僕のような人)にも大変わかりやすい一冊になってるかと思います。

僕がこの本を読んで「ここが本質」と思うポイントをピックアップします。

コピーの目的とエリアによる分類
・キャッチ
・ヘッドライン
・スローガン
・リード
・本文

コピーを書くにあたって明確にしておくべきポイント
・WHO:ターゲット。誰に伝えたいのか?
・WHAT:メッセージ。何を言うか?
・WHEN:時期。そのプロダクトのライフサイクルは?季節は?その時期の催事と歳事は?

コピーを書く手順
1.準備
環境分析。3Cやマクロ環境分析。
2.書く
3.推敲





ちなみに、他のコピーライティングの本としてはこのあたりがおすすめです。
広告コピーってこう書くんだ!読本
「売る」コピー39の型
新・コピーライター入門
ある広告人の告白 / デヴィッド・オグルヴィ