2010/07/31

デザインの輪郭 / 深澤直人 2回目


デザインの輪郭については以前にも書きましたが、2回目を。

数年前にこの本を読んだことをきっかけに、僕はクラシックなモノ・コトづくりを目指すようになりました。それを明確なコトバ「クラシック」にすることはずっとできなかったのですが、最近「クラシック」がしっくりくる感じがするので使っています。それはさておき、今回この本を読むのももう何回目か、という感じです。改めて読みました。


目的
自分のロールモデルである深澤直人さんの考え方を知り、自分のキャリアイメージ作りに活かす。


ピックアップ
前回は「張り」ということをピックアップしました。今回は7点ピックアップしたいと思います。
1.張り(前回と重複)
2.よいふつう
3.最小限のもの
4.幸せの現象
5.アイデアとエクスキューション
6.インタラクションの欠如
7.自由

1.張り(前回と重複)
かたちも、そのものがそこに存在する意義によって自然と定義づけられていくものだ(中略)
必然的形が、必然的力を見せる。それが「張り」なのである。

良い「張り」のあるデザインを生みだすためには、そのものの中身だけを見るのではなく、そのものの存在意義、外部との関係、そのものの位置づけを見る必要がある、ということ。


2.よいふつう
いいふつうがつくれたら本当にすごいと思います。ご飯はふつうのものだから、ふつうのご飯がうまいってことは幸せなことなんです。ふつうのことを、「いいふつう」にするってことが生活レベルが上がるってこと(以下略)

あたりまえの価値に気づくことが最も感動的だと思う。

人の人生を本質的に豊かにしてくれるのは、暮らしから離れた「非日常的」なものでもなければ「特殊」なものでもなく「ふつうのもの」である、ということ。なるほど、と思いました。消費者としても、生産者としても、このことを忘れずにいたいです。


3.最小限のもの
最小限で生きることは、とてもリッチなことだと思います。

ものが増えていくと、気持ちも淀んでくる。心が詰まっていく感じがする。風が流れなくなっていく。心に吹きだまりができていく。

ものをたくさんもっていることはかっこわるい。

「最小限のもので暮らしてみよう」と考えてみると、たくさんのものを捨てなければなりません。そういうことを考えたときに初めて「本当に本質的なものは何か?」を考えることができるのだと思います。去年から僕は家にテレビを置いていなくて、その動機は曖昧だったのですが、この本を今読み返してみて、深澤直人さんのこの言葉に影響を受けてやったんだろうなぁと思います。深澤さんが言う「かっこわるい」は、1)自分にとって本当に大事なものが何かわかっていない、2)物理的に雑然としている、の2つの意味があるような気がします。


4.幸せの現象
日常であなたが感じていること、たとえば靴がすっと履けたとか、そういうことがあなたを幸せにする(以下略)

大切なものは、いつもあたりまえのところにある。

日曜日の朝、起きたら晴天だった。
お気に入りの服を褒められた。
友達の友達ができた。
ジャケ買いしたCDがお気に入りになった。
オレンジの匂いがした。
好きな漫画の最新刊を見つけた。(以下略)

最後の引用は、深澤直人さんの「幸せの現象を挙げてください」という課題に対する学生の答えです。いずれも、ガッツポーズを取るほどではないけど「ちょっぴりうれしいこと」として「うんうん」と納得のいくことばかりです。こういうことが「幸せの現象」である、と気付くことが良いデザイナーになる第一歩なのでしょう。


5.アイデアとエクスキューション
デザインというのは、アイデアとエクスキューション(出来映え)の両方が揃ってできることです。

アイデアは寿司で、エクスキューションは醤油のようなものです。
寿司を食べていると思っても、醤油がないと料理として成立しない。
本当は醤油がデザイナーの力だということです。
寿司の味を引き立てても表には出ない。

寿司と醤油の表現はとてもわかりやすい。


6.インタラクションの欠如
人間が生きるために使っている環境の中にあるすべての情報を自分で自覚できるということがデザインができるということです。

環境との関係性をみているんですよ。
ものをつくるという意味だけじゃなくて、人とコミュニケーションする意味でもインタラクションデザインしている。

礼儀がないとか、マナーが悪いとか、だらしがないとかいうことは精神的なことよりも、関係性が見えない、インタラクションの欠如だと思います。

上の「張り」の部分と同じ主張を別の言い方で言われています。デザインができるためには、環境の中にある情報を認識できることが必要である、と。
僕がハッとしたのが、上記の「礼儀やマナーができない人は精神的な何かが欠如しているのではなく、インタラクションの欠如に原因がある」という言葉です。礼儀がないのを精神的な問題と捉えると、それができない人のことを責めてしまいますが、アンテナ感度が弱いことが原因と思うと「今は弱くても、まだまだこれから鍛えられるしね」と気持ち、肯定的に捉えることができます。


7.自由
自由であるということは、細胞しか鍛えていないということです。

何をするためにその筋肉を鍛えるかじゃなくて、単に「鍛えている」ということです。そうすれば、どんなゴールにでも行ける。

すごい。特定の分野のプロフェッショナルを目指すとき、ついつい派手な枝葉のテクニック(一部の筋肉)を磨くことに力を注いでしまうものですが、そうではなく、細胞だけを鍛えると、自分を決めずに自由に生きることができる、としています。なるほど。。。この境地に行きたいです。


以上です。今回は7つのポイントをピックアップしましたが、読むのはできても実践できないことがたくさんです。ピックアップできていないポイントもまだまだあります。引き続き、ことあるごとに読んでいきたいと思います。

2010/07/30

[新版]MBAクリティカル・シンキング / グロービス・マネジメント・インスティテュート



MBAクリティカル・シンキング」を読みました。

社会人になりたての頃にひととおり読んで勉強したのですが、次のステージに行くために今のタイミングで改めて基礎体力(=クリティカルシンキング力)を強くしておきたいと思い、再読しました。

目的
クリティカルシンキング力(=思考力・コミュニケーション力の基礎)を強める。特に、クリティカルシンキングの全体像の把握に重点を置いておさらいとしてまとめることを目的に。

目次
序章  クリティカル・シンキングの要素と考える基本姿勢
第1章 論理展開
第2章 因果関係
第3章 解く技術
第4章 伝える技術
第5章 ケーススタディ





……以下は、本書の内容を僕なりにわかりやすい形に整理してみました。

クリティカルシンキングの定義

直訳は「批判的な思考」。健全な批判精神を持った客観的な思考。本書では、ビジネスパーソンが現場で使えることを重視して次の要素を盛り込むことで、「物事を正しい方法で正しいレベルまで考える」ことを目指しています。
1.ロジカルシンキング
2.思考の効率を上げるための方法論(テクニック・フレームワーク)
3.正しく思考するための姿勢(心構え)

クリティカルシンキングの意義

クリティカルシンキングを身につけることには、次のようなメリットがあります。
・問題解決や意思決定の効率が上がる
・斬新な発想がしやすくなる
・機会や脅威に気づける
・相手の言いたいことやその前提を的確に理解できる
・説得や交渉、部下のコーチングなどがうまくできる

クリティカルシンキングのおおまかな構成

基礎と実践の2つにわけると次の4つの要素があります。
・基礎
・ロジック
・因果関係
・実践
・問題解決
・コミュニケーション

クリティカルシンキングの基本姿勢

・目的は何かを常に意識する
・イシューを踏まえたうえで、「考える枠組み」を考える

ロジック
論理展開のパターン
・deduction(演繹法)
・induction(帰納法)
※「abduction」もあり

論理展開における陥りがちな罠
・情報の間違い
・隠れた前提
・論理の飛躍
・不適切なルールの適用
・軽率な一般化
・過度な一般化

因果関係
因果関係が成り立つ3つの条件
1.時間的順序
2.相関関係
3.第3因子が存在しない

因果関係のパターン
1.単純な因果関係
2.にわとり・たまごの因果関係(chicken-and-egg)
3.複雑な因果関係

因果関係把握における陥りがちな罠
・直感による判断
・第3因子の見落とし
・因果の取り違え
・最後の藁(last straw)の過大視

問題解決
事象の構造分解の3つのツール
1.MECE
2.フレームワーク
3.ロジックツリー

MECEということ
Mutually Exclusive,Collective Exhaustive。モレなくダブリなく。

MECE分解のパターン
1.足し算  集合を分解する
2.変数   ひとつのものを分解する
3.プロセス 時間軸で分解する

問題解決プロセス
1.イシューの特定 WHAT
2.問題点の特定 WHERE
3.原因の特定 WHY
4.対策立案 HOW

事象の構造分解をうまく進めるポイント
1.目的や課題を明確にする
2.感度のいい切り口を考える
3.手を動かしながら考える

コミュニケーション
説得力のあるコミュニケーションのポイント
・聞き手が知りたいことがすぐ明確にわかる
・論理のヌケ・モレがなく納得感がある
・イシューに関わる事実とその解釈が整理されている

ピラミッドストラクチャ
メインメッセージを頂点に、キーメッセージをその下に置き、それらを支える解釈・事実をさらに下にしてピラミッド状に並べたもの。

ピラミッドストラクチャの作成プロセス
1.イシューの特定
2.枠組みの決定と情報のグルーピング
3.メッセージの抽出
4.論理チェック

コミュニケーションメッセージ作成のポイント
1.イシューを押さえ続ける
2.枠組みをしっかり考える
3.相手の立場に立つ
4.定義を明確にする
5.チェックをする
6.手と目を動かして考える


・・・以上です。

問題とは「あるべき姿と現在の姿が異なっている(ギャップがある)状態」と定義するなら、「すべてのビジネス活動は問題解決とコミュニケーションから成り立っている」と言ってしまってもいいかと思います。その意味でいえば、クリティカルシンキングはまさにビジネスの基礎体力(=筋力)にあたるものだという感じがします。

筋力を鍛えるだけでは一流の選手にはなりませんが、一流の選手になるためには筋力トレーニングが不可欠だと思います。「とりあえず仕事ができたらいい」ではなく、「どうせ人生の大半を仕事に費やすなら、良いステージを目指していきたい」と思う方にとってクリティカルシンキングは大いに役立つと思います。

いまちょうど基礎体力をつけるべき時期にあって、かつ、クリティカルシンキングをまだ知らないという方にはぜひおすすめしたい一冊です。筋力トレーニングを続けているとある日突然スッとレベルアップする瞬間がやってくるのですが、クリティカルシンキングでもそれに似た感覚を感じることができます。



2010/07/29

感じるマネジメント / リクルートHCソリューショングループ



感じるマネジメント」を読みました。

組織における「理念の浸透」についておおづかみに学ぶため、Amazonで評判の良かったこの本を購入しました。内容は、デンソーにおいて実際に行われた「理念浸透プロジェクト」の流れを追いかけながら、「理念浸透の意義は?」「理念を浸透させるとはどういうことか?」「理念を実際に浸透させる際のポイントは?」というテーマについて読者に示唆を与えていく、というものになっています。この本自体が
1)物語り(ストーリー)
2)余白の多い(すべてを語らない)もの
になっているため、本書で述べられている手法がこの本の制作そのものにも活かされていて、それが効果的であることが実証されています。ものすごく良書!

私はこの本で、マネジメントということが、必ずしもMECE・ロジカルな選択と集中の戦略で成り立つとはかぎらないということを学びました。


目的
理念の浸透(共有)について学ぶ。


目次
はじめに
人事部長の不安
共に感じる力
理念浸透の手法を求めて
物語を語る知恵
情景を生み出す言葉
「布教の時代は終わりました」
共に歩む決意
余白をつくる勇気
私の中にスピリットはあった
憧れとつながる仕組み
つながりが生み出す力、つながりを生み出す力
エピローグ つながりは、世界へ
あとがき



ピックアップ
特にココ!と思ったエッセンスの部分をピックアップします。…といっても、いいところづくしでかつ僕がまだ消化し切れていないので、たくさんあります。。

共感は共感から始まる

聞き手に対する共感の姿勢のない話し手に、聞き手は共感することができない。

考える必要があります。理念浸透という目的が達成された状態というのは、どういう状態なのか。
それは、その組織のすべての人々が、その理念と自分自身との「つながり」を見出し、行動を通じて表現している状態なのです。

壁に掲げられているだけの理念には、何の価値もありません。
理念が、経営者である誰か自身につながり、行動として表現される。
理念が、社員である別の誰か自身につながり、行動として表現される。
同じ理念を分かち合うことを通じて、会社に関わる多くの人々がつながっていく。
そうなってはじめて、理念は価値をもちます。

理念と自分とのつながりを語る。
理念と、相手とのつながりを問う。
自分と相手とのつながりを見極め、つながりをつくる。

「つながりが生み出す力」を信じ、そのために「つながりを生み出す力」をつける。

『理念を実践していれば業績は上がるし、理念に反していれば業績は悪化する』という信念

理念の実践の度合いが業績に直結する、という強い認識

(理念浸透の)「5つのハコ」のモデル
・トップの意思と行動
・プロモーション
・職場での実践
・物語の伝承
・仕組みの設計と運用

もし、幸運にも、あなたの組織で語り継がれている物語があったなら。あなたも、それを、語り継いでください。

こういった物語は、単に「顧客満足度向上」などと唱えるよりも、はるかに強い影響力をもちます。この物語を聞く、あなたの部下や同僚に、内省を促します。そして、それを語るあなた自身にも、内省を促すのです。

物語は、物語を誘発し、人と理念、人と人とをつなげていきます。

「自律した個人が、一つの目的に向かってつながり、協力しあう組織」

短いスローガンをつくるにしても、その前に情景が描かれていなければならない。スローガンは、情景を思い起こすための「扉」の役割を果たすもの

その理念のなかに、社員が、自分自身のどんな姿をイメージすることができるか。

「感じる」ことのできるビジョンが、人々をより強く行動へと動かしていくのです。

教えるのではなく、共に学ぶのです

<相手の心の中にある宝物>を相手と一緒に見つけながら、共に豊かになること。

「3つの道筋」のモデル
・知識による学び
・行動による学び
・つながりの発見

夫婦関係を幸せなものにするためには、side by sideの関係が大切です。はるかな地平線のような憧れに向かって、並んで歩いていく関係です。歩いていきながら、ときどき互いを見つめ合い、そしてまた前を向いて歩いていく。その関係のなかで、互いの違いは、制約ではなく、力に変わっていきます。

人は皆、修行中なのです。(中略)
先を歩む者にとって大切なのは、自分もまた修行中であるということを、身をもって後進に示すことではないでしょうか。(中略)

先を歩むものとして、まずは自ら理念の体現に取り組むことが大切です。そして、自分の日々の実践を、周囲がよく見ていることを意識したいものです。

デンソー・スピリットと自らのつながりに思いを馳せ、自らに問いつづけ、スピリットを行動や姿勢で表現するよう努力する。
その姿を、人々が常に見ていることを意識する。
地平線のような憧れに向かって、人々と共に歩む。

その決意をすること。

「経営ビジョンの骨子説明」
「経営ビジョンを自分がどう捉え、どう取り組んでいるかの表明」
「参加者への問いかけ・投げかけ」
の3つのポイント

自律には余白が必要
余白は、主体的な思考と実践のために必要な、「間」でした。

自らに問う必要があるのです。
自分たちは、どんな組織を作りたいのか。
何の実現を目指し、誰とどのように働き、一人ひとりがどのようにつながっている組織に憧れるのか。

「ブランドとは、自分の理念を表現し続けることで、関係性の中に生まれる、認識の束である」と、私たちは考えています。

ブランドを築き、維持しつづけるためには、煎じ詰めればたった一つのこと――「すべての人々が、自らの組織の理念の、表現者にあること」――が重要になるのです。

「人間の主な関心事とは、喜びを得ることでも、痛みを避けることでもなく、自分の人生に意義を見出すことなのである」


以上です。

ちょっと軽い気持ちで読んだとしても、この本を読むだけで「組織の理念を浸透させる」という仕事がとてもエキサイティングで意義深いものであるという認識を持つようになると思います。歴史的に実証された方法をもって理念を浸透させる。すばらしい仕事です。

今後、何度も何度も読み返すかと思います。

デザインの輪郭 / 深澤直人

プロダクトデザイナー深澤直人さんの「デザインの輪郭」を読んでいます。読むのは4回目くらいになりますが、何度読んでも読むごとに新しい学び・発見があります。

今回は「デザインの輪郭」の中から、面白いと思うところを一部ピックアップしてみます。

ものの瑞々しさを表わしたり、人の気の充実具合を表わしたりする「張り」という概念について。

張りは、輪郭の力のことです。


ものとその周りにある環境との関係が、そのものの輪郭を決めていく。その輪郭を見いだすのがデザイナーの仕事であるということがわかってきた。その輪郭とそこに加わる双方の力を見いだせば、それによって表面の力が自然と規定されていく。


ものの表面の光や骨格のバランス、面の繋がりや細分の配置がまとまりのある美しい造形を生み出すことに違いはない。しかし、そのかたちも、そのものがそこに存在する意義によって自然と定義づけられていくものだということが、やっとそのときにわかったのだった。外の要因や、外の力が、内を決めているということが。その必然的かたちが、必然的力をみせる。それが「張り」なのである。


良いデザインのひとつの基準である「張り」というものは、一体どういうところから生まれるものなのか? を筆者が考えた末に出た結論がこれです。張りというものはそのものの存在意義や周りの事物との関係によって決まるものであって、そのものだけで決まるものではない、ということです。
…ということなら、そのものの存在意義や周りの環境にこそ良いデザインの種がある、ということです。

良いデザインの種は、そのものの存在意義と周りの環境

2010/07/27

マネジメント - 基本と原則 [エッセンシャル版] / P・F.ドラッカー、上田惇生訳 2回目



先日読み始めた「マネジメント - 基本と原則 [エッセンシャル版]」を読み終えました。

これは、この前に読んだ「もし高校野球の女子マネージャーが…」から発展して読んだものです。

「もし高校野球の…」の方もわかりやすくて面白かったですが、こちらの「エッセンシャル版」もよく整理されていて非常に読みやすかったです。こちらを読むと改めて「もし高校野球の…」という本がきちんとエッセンスを凝縮した良い本であることが実感できます。


目的
マネジメントに関する定番・ベースの考え方を理解する。将来個別のマネジメント論を理解するときの土台とする。


目次
マネジメントの使命
 企業の成果
 公的機関の成果
 仕事と人間
 社会的責任
マネジメントの方法
 マネジャー
 マネジメントの技能
 マネジメントの組織
マネジメントの戦略
 トップマネジメント
 マネジメントの戦略



ポイントピックアップ
・企業の目的 = 顧客の創造

・企業の機能 = マーケティング + イノベーション
 マーケティング=顕在ニーズ
 イノベーション≒潜在ニーズ

事業の定義 = 目標・戦略・資源について考えるスタート地点

・マーケティングの7つの目標
 ・既存製品
 ・既存製品の廃棄
 ・既存市場の新製品
 ・新市場
 ・流通チャネル
 ・アフターサービス
 ・信用供与

・イノベーションの3つの目標
 ・製品とサービス
 ・市場・消費者の行動や価値観
 ・製品を市場に持っていくまで

・働きがい ← 責任
 責任 ← 生産的な仕事 + フィードバック + 継続学習

・マネジメントの役割
 ・人  人を活かす
 ・組織 組織を活かす
 ・社会 社会に貢献する

・マネジャーの役割
 1.全体>部分の総和にすること 指揮者
 2.現在と未来のバランス

・マネジャーの仕事
 1.目標設定
 2.組織
 3.動機づけとコミュニケーション
 4.評価測定
 5.人材開発

・マネジャーに明かせない最も重要な資質 = 真摯さ

・真摯さの対極にあるもの
 ・人の強みよりも弱みに着目する
 ・何が正しいか < 誰が正しいか で判断
 ・真摯さ < 頭の良さ で判断
 ・部下を脅威とする
 ・自らの仕事に高い基準を設けていない

・組織内の活動パターン
 1.成果活動
 2.支援活動
 3.家事活動
 4.トップ活動

・成長戦略 = 成長の準備
 せいちょうの準備
 1.基本活動を明らかにし、トップマネジメントを組織する
 2.兆候に注意
 3.本当に変化を望んでいるか判断

・トップマネジメントの役割
 1.事業目的
 2.基準
 3.組織
 4.渉外活動
 5.儀礼的活動
 6.有事対応


感想
網羅的でありながら、個別の考えどれひとつ取っても自然な感覚で納得のいく考え方になっていると思います。これまでは「企業とは」「マネジメントとは」「マネジャーとは」と聞かれてもうまく答えることができませんでしたが、ひとつの答えは持つことができるようになりました。
また、マネジャーにとってもっとも大事な資質として「真摯さ」が挙げられていたのが印象的でした。すべての基礎に、姿勢があるということですね。

次目指すのは、これを実践の中で振り返り活かす、他の考え方にも触れて自分なりの考え方を作っていく、というところでしょうか。でも、半年や一年ですぐにできるようにはならないかと思いますので、日々忘れないようにしながらも、長期的な心づもりでがんばります。

よかった。

2010/07/16

マネジメント - 基本と原則 [エッセンシャル版] / P・ F. ドラッカー、上田惇生訳

マネジメント - 基本と原則 [エッセンシャル版]

ドラッカーの「マネジメント」を読み始めました。「マネジメント」には「フルバージョン」と「エッセンシャル」の2種類があるみたいなのですが、その後者を今回は読みます。きっかけはドラッカーのマネジメントの本質を物語形式で説明する高校野球の女子マネージャーが…という本でした。


目次
Part 1 マネジメントの使命
Part 2 マネジメントの方法
Part 3 マネジメントの戦略


僕がこの本を読む目的
組織のパフォーマンスの向上。そのための基本的な考え方の習得、全体像の把握を行う。
読んですぐにパフォーマンスを上げられるようにはならないかと思いますが、考え方を知っておき、目指すべき方向をばっくりと知っておくことは有効かと思います。


……また読み終えたら書きます。


おまけ
翻訳をされた上田惇生さんはドラッカーを追求してイロイロな活動をされています。
上田惇生ホームページ
ほぼ日刊イトイ新聞 - はじめてのドラッカー
ドラッカー学会


追記20100727
読み終えました


2010/07/15

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら / 岩崎夏海


会社の人がおすすめしていたので、「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」を読みました。

一言、「良かった」です。読む前は「あー、ドラッカーねー」と知ったふうなことを思っていたのですが、読後は「知ったかぶりはよくない!」と猛反省でした。読んでよかったです。

「企業とは」「マネジメントとは」というシンプルで本質的なことが書かれています。「マネジメント」とパッと聞くと、字面からは、難しいこと、堅苦しいこと、機械的で味気ないことというような印象を受けますが、けしてそんなことはありません。本来マネジメントとは、人がよりよく働きよりよく生きるためのものでした。

目次
まさにタイトルのとおり、高校野球の女子マネージャーの女の子(みなみ)がドラッカーのマネジメントと出会い、少しずつそのエッセンスを部活に取り入れていく、というお話です。
プロローグ
第一章 みなみは『マネジメント』と出会った
第二章 みなみは野球部のマネジメントに取り組んだ
第三章 みなみはマーケティングに取り組んだ
第四章 みなみは専門家の通訳になろうとした
第五章 みなみは人の強みを生かそうとした
第六章 みなみはイノベーションに取り組んだ
第七章 みなみは人事の問題に取り組んだ
第八章 みなみは真摯さとは何かを考えた
エピローグ
あとがき

以下に、この本のエッセンスとなるポイントをピックアップしてみたいと思います。

ポイント

手書きで書いたもの(上の画像)そのままです。。。

企業とは
企業の目的
顧客の創造

企業を構成する構成要素
1)マーケティング
2)イノベーション

マネジメントとは
マネジメントの役割
1)人を生かす
2)組織の目的を達成する
3)社会に貢献する

良いマネージャーの条件
真摯さ
ほとんどのことは後天的に身に付けられるが、「真摯さ」だけは別である。

「人を活かす」上でのポイント
責任
生産的な仕事
FB(フィードバック)
継続学習
全体とつながっている実感

その他この本からの学び

・愚直に実行することの大切さ。
・よそ見をせず立ち返ることの大切さ。
・蓄積することの大切さ。解決した課題は仕組み化・習慣化する。

・・・以上です。

おわりに
「ストーリーにひねりがない」「現実的でない」「絵がちょっと・・・」などなど、揚げ足取りの批判をしようと思えばいくらか可能もしれませんが、せっかく読むのなら、この本の本質に注目することが大事かなと思いました。おそらくこの本の最大の魅力は「ドラッカーのエッセンスをショートストーリーを通して学ぶことができる」という部分にあります。もちろん、これでドラッカーのことがすべてわかるというわけではありませんが、読後「ドラッカーのことがおおづかみにわかって、ドラッカーへの興味が高まった」というのであればこの本を買って読んだ甲斐は十分にあるのかなと思います。

この本が流行ったのはちょっと前のことのようですが、一過性のブーム的な部分はあったにせよ、マネジメントを学ぶ人の裾野を広げたという意味でこの本が果たした役割は大きかったと思います。

この本をきっかけにドラッカーを本格的に学んでいく人が増えればいいなぁと純粋に思います。僕自身、この本を読んでドラッカーをもっと学びたいと思いました。

まっすぐなストーリーで比較的短時間で読めるので、「マネジメント」や「チームワーク」にちょっとでも興味があって、ドラッカーを読んだことがない方にはおすすめです。

こんな方におすすめ
・ドラッカーのマネジメント論を知りたい


2010/07/10

いかにして問題をとくか / G.ポリア(G.Polya) 垣内賢信 2回目



先日読み始めたいかにして問題をとくか」という本を読了しました。

どんな本かといった説明は前回のエントリで書いたので、ここではその部分は割愛し、エッセンスだけをまとめます。

問題解決プロセス

問題解決プロセスは次の4つのステップに分解することができます。
1 問題を理解する
2 計画をたてる
3 計画を実行する
4 振り返ってみる

問題の理解の仕方

目の前にある問題に対する理解を確かにするためには、次の3つを明確にすることが有効です。
  • 与えられているもの
  • 条件(押さえるべきポイント)
  • 未知のもの(ゴール)

英語版の資料

原題の書名「How to Solve It」で検索すると、英語での表現も出てきました。「問題を理解する」から「振り返ってみる」までの4つのステップを、英語では次のように呼ぶそうです。
1 Understand the Problem(Identify the goal)
2 Devise a Plan
3 Carry out the Plan
4 Look Back

そしてかなり長めにはなりますが、詳細はこちら。そのまま引用します。
1 Understand the Problem(Identify the goal)
The first step is to read the problem and make sure that you understand it clearly. Ask yourself following questions:
What are the unknowns?
What re the given quantities?
What are the given conditions?
Are there any constraints?

2 Devise a Plan
Find a connection between the given information and the unknown that will enable you to calculate the unknown. It often helps you to ask yourself explicitly: "How can I relate the given to the unknown?" If you do not see a connection immediately, the following ideas may be helpful in devising a plan.
  • Establish subgoals (divide into subproblems)
  • Try to recognize something familiar
  • Try to recognize patterns
  • Use analogy
  • Introduce something extra
  • Take cases
  • Work backward (assume the answer)
  • Indirect reasoning

3 Carry out the Plan
In step 2 a plan was devised. In carrying out that plan we have to check each stage of the plan and write the details that prove that each stage is correct. A string of equations is not enough!

4 Look Back
Be critical of your result; look for flaws in your solutions (e.g., inconsistencies or ambiguities or incorrect steps). Be your own toughest critic! Can you check the result? Checklist of checks:
  • Is there an alternate method that can yield at least a partial answer?
  • Try the same approach for some similar but simpler problem.
  • Check units (always, always, always! ).
  • If there is a numerical answer, is the order of magnitude correct or reasonable?
  • Trends. Does the answer vary as you expect if you vary one or more parameters? For example, if gravity is involved, does the answer change as expected if you vary g?
  • Check limiting cases where the answer is easy or known. Take the limit as variables or parameters reach certain values. For example, take a mass to be zero or infinite.
  • Check special cases where the answer is easy or known. This might be a special angle (0 or 45 or 90 degrees) or the case when all masses are set equal to each other.
  • Use symmetry. Does your answer reflect any symmetries of the physical situation?
  • If possible, do a simple experiment to see if your answer makes sense.

また、英語のwikipediaの「How to Solve it」のページには、次のように説明されています。
How to Solve It suggests the following steps when solving a mathematical problem:
1. First, you have to understand the problem.
2. After understanding, then make a plan.
3. Carry out the plan.
4. Look back on your work. How could it be better?
If this technique fails, Pólya advises:"If you can't solve a problem, then there is an easier problem you can solve: find it."Or: "If you cannot solve the proposed problem, try to solve first some related problem. Could you imagine a more accessible related problem?"

(意訳)
「いかにして問題をとくか」は、数学の問題を解く際に次のステップで解くことを提案しています。
1. まずは、問題を理解しなければならない。
2. 理解できたら、計画を立てよう。
3. 計画を実行しよう。
4. やった仕事を振り返ろう。どうすればより良いものになるだろうか?
このテクニックがうまくいかない場合のアドバイスとして、ポリヤはこのように言っています。
「もし問題が解けなかったら、もうちょっと簡単で自分にも解ける問題を見つけよう。」
「出された問題が解けないなら、まずその問題に関連する別の問題を解いてみよう。元の問題よりもとっつきやすい関連問題をイメージすることができますか?」
How to Solve It - wikipedia

・・・以上です。

英語の方が、日本語訳(本書)よりもスッキリとまとめられているような気もします。

まぁいずれにせよ。直観では解決できない難しい問題を解く場合には、直観が通常辿る基本ステップをひとつずつ丁寧に踏んでいくのが有効である、というのが本書から得られる最大の学びかなと思います。

良書でした!

2010/07/08

いかにして問題をとくか / G.ポリア(G.Polya) 垣内賢信


いかにして問題をとくか」という本を読み始めました。

数学における「問題のときかた」を解説した一冊で、原題は「How to Solve it」。スタンフォード大学の数学教授であったポリア先生が書いた本です。

半世紀以上にわたって読み続けられているようで、初版は1954年6月25日発行。僕の手元にあるのは2009年11月10日発行の第11版第34刷です。本文のフォントも昔ながらの文字のまんまで、そのあたりからも、この本が中身で売れ続けていることがよくわかります。

ファーストインプレッション
この本の核は、見開き部分に書かれている問題解決プロセス。数学にかぎらず幅広い分野で使える普遍的なもので、4つのステップからなっています。


いかにして問題をとくか
第1に 問題を理解すること
第2に 計画を立てること
第3に 計画を実行すること
第4に ふり返ってみること

そして、この各ステップに次のようなリード文が添えられています。
第1に 問題を理解すること
問題を理解しなければならない
第2に 計画を立てること
データと未知のものとの関連を見つけなければならない
関連がすぐにわからなければ補助問題を考えなければならない
そうして解答の計画をたてなければならない。
第3に 計画を実行すること
計画を実行せよ
第4に ふり返ってみること
えられた答を検討せよ

問題の答えを考える前に、まずは、問題を正しく理解する。そしてその理解に基づいて計画を立て、それからはじめて具体的に問題を解いていく。問題解決のプロセスをきれいにステップ分けしてあります。

実際に問題を解くときは「第1の次に第2、その次に第3」とスムーズに進むのではなく、前に進んだり後ろに戻ったりしながらじわじわ進めていくことになるかとは思いますが、このプロセスを頭の中に入れておくことで、問題解決プロセス全体の中で「今自分はどこにいるのか」を正しく把握することができます

ちょっと余談ですが、IDEOが提唱するデザインプロセスもこれと似た形をしています。
IDEOのデザインプロセス
1. 理解
2. 観察
3. 視覚化
4. 評価
5. 実現

こんな方におすすめ
この本が扱っているのは「数学の問題のとき方」についてのお話ですが、この考え方、この頭の使い方は数学にかぎらずさまざまなことに使える普遍性の高いものだと思います。その意味でこの本は、数学好きにかぎらず、問題解決力を高めたい人、問題解決の基礎を身につけたい方に幅広くおすすめできる一冊です。

一言感想
私が中高生の頃にこの本を読んでいれば(そして仮にこの内容をちゃんと理解できたなら・・・)、授業や宿題の中で出会う問題のひとつひとつにまたちがった姿勢で取り組んだんだろうなぁと思います。問題を解くことが好きな現役学生の方にも、ぜひ読んでもらいたい一冊です。

追記
この「いかにして問題をとくか」について2回目を書きました。


2010/07/04

ビジネスモデルを見える化する ピクト図解 / 板橋 悟



ビジネスモデルを見える化する ピクト図解」を読み始めました。

先日「頭がよくなる図解思考の技術」を読んで、別の角度からさらに図解についての理解を深めたいと思い、この本を購入。

まださらっとしか読めていませんが、すばらしい本だと思います。実践と理論への立ち返り(この本の再読)を繰り返して、継続的にこの本に書かれている図解の技術を高めていきたいと思いました。


概要
タイトルのとおり、「ビジネスモデル」を理解・創造するために図で考える、ということについて書かれた本です。タイトルにある「ピクト図解」とは、公共機関の「ピクトグラム」にヒントを得て著者が体系化した、ビジネスモデルを表現するためのフレームワーク(ツールセット)。図と矢印から構成される。

目的
図解技術の向上。特に、「ビジネスモデル」と言われる事業の全体像、収益創造の構造を把握するチカラの向上。

感想
まださらっとしか読めていませんが、「図解技術」の本と同様に、こちらも良書だと思います。僕が良書だと思うポイントは次の3つです。
1. 読みやすい
2. わかりやすい
3. 実践的


1. 読みやすい
構成、文章表現、文字組み、図など、もろもろがよくデザインされています。

2. わかりやすい
これはメインアイデアのシンプルさと構成、文章表現などに依存するかと思うのですが、とにかくわかりやすい。頭にすんなり入ってきます。「アナロジー」に関してのパートがあるだけに、サッカーのわかりやすいアナロジーが最初に書かれており、僕はもうここで「この本を最後まで読みたい!」とココロつかまれました。

3. 実践的
具体例も交えつつ、原理原則もおさつつ、なので応用がきく(はず!)。


今回はまだ1回目です。続けて読んで、ピクト図解、ぜひできるようになりたいと思います。もっと深く理解できたらもう一度ここに書きます。




追記20100705
著者の板橋さんの公式ページがいくつかありました。本の執筆だけではなく幅広い範囲で「図解」(ビジュアルシンキング)を広める活動をやられているそうです。
板橋悟 「ビジュアル思考力」日記/ウェブリブログ
ita3.jp
3W1H公式サイト