2010/12/28

三国志 / 横山光輝(60巻中46~49巻あたり)

横山光輝「三国志」を読みました。

先日晩ごはんを食べたレストランにたまたまあったので、ほんの少しだけ。諸葛亮孔明が猛獲と争う「南蛮平定」のところを読みました。確か46~49巻あたりだったと思います(うろ覚え)。

三国志をちゃんと読むのは、小学生の頃以来です。当時は純粋にマンガ、エンタテイメントとして読んでいましたが、今改めて読むと色々と感じることがあり、「年を重ねると、同じ素材も違った楽しみ方ができるんだなぁ」と、なんだか感慨深いものがありました。


内容
蜀の軍師孔明が魏との戦いに集中するべく、まずは背後をきちんと固めるために遠征した南蛮平定戦です。南蛮を牛耳る猛獲との戦いを繰り返し、猛獲を捕らえては放し、捕らえては放し、を繰り返し、6度目でやっと、猛獲の心を捉えて、南蛮平定に成功します。

孔明の目的の置き方や戦い方に学ぶべきところがたくさんあったので、いくつかポイントを取り上げてみます。マーケティングの考え方に通じるところがたくさんあります。

孔明がすごいポイント
MECEではありませんが、まとめてみると全部で6ポイントありました。

1.目的設定
戦いの目的は「勝つこと」ではなく、その先の「治める」ことにあると考える。
また、費用対効果を重んじる。仲間の犠牲はできるだけ少なくしようとする。
(ライフタイムバリュー、費用対効果)

2.戦略
必ず味方に有利な状況に持ち込んでから戦う。
相手の弱点を突く。
相手を油断させる。
だます。
仲間の戦闘力を過信した真っ向勝負はしない。
(ポジショニング、SWOT)

3.環境分析
地理と天候を必ず読んで、味方につける。
(マクロ環境、市場環境)

4.展開の見通し
戦闘の展開をあらかじめ見通し、適切な場所に適切な人数の兵士を配置しておく。
(マーケティングミックス、プロモーションミックス)

5.心理分析
敵の戦意の高低を読む。
仲間と敵のモチベーションの源泉を把握し、それを活用する。
(ニーズ分析、インサイト分析)

6.人を動かす
効果を考慮して、あえて優しく接する。
効果を考慮して、あえて厳しく接する。
面子を立てる。
(プロポジション、プロモーション)

…以上です。中国の三国時代というと、西暦200年くらいだと思うのですが、その頃にこれだけ、人、自然、かけひきのことを理解していたと思うと、、、怖いくらいです。私が先人の知恵をもらってテキストで学び、人から教えてもらい、実践し、失敗し、そしてまたテキストから学び……を何度も繰り返しやってやっと少しずつ学べていることが、この当時にできてたんだなぁと思うと、、すごいと思います。逆に、昔の方が人や自然を見つめる目が鋭かったのでしょうか。

ともかく、面白く、多くの学びがもらえました。

2010年の良書ベスト27冊



いよいよ、2010年が終わろうとしています。

おかげさまで、この1年もたくさんの良書に出会うことができました。出会い方は本ごとにまちまちで、人に紹介してもらうこともあれば、ブログから教わることもあり、書店で見つけることもあり。出会い方はさまざまですが、どんな形であれ「良書だ!」と心から思える本にコンスタントに出会えるということは、ただ単純に、幸せなことだなぁと思います(こうやって振り返らないとこう思うこともありませんでした…)。

良かった本はなるべくこのブログに書くつもりではいるのですが、なかなか全部は書き切れません。
だから、すでに取り上げたものもあれば、取り上げていないものもあります。今年初めて出会った本も、再会した本も。色々まとめて今年のベストを振り返ってみました。挙げていくと、結果的に27冊になりました。

次の3つの視点で分けてみます。

1.「基本姿勢」編
2.「専門領域」編
3.「志」「生き方」編


1.「基本姿勢」編
■カーネギー
・人を動かす / デール・カーネギー

■ドラッカー
マネジメント - 基本と原則 [エッセンシャル版] / P・ F. ドラッカー、上田惇生訳
もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら / 岩崎夏海

■生活起点の商品開発
デザインの輪郭 / 深澤直人


2.「専門領域」編
■戦略
世界一シンプルな「戦略」の本 / 長沢朋哉
・あたらしい戦略の教科書 / 酒井穣
経営戦略を問い直す / 三品和広
・MBAビジネスプラン / グロービス

■問題解決
いかにして問題をとくか / G.ポリヤ

■TOC(Theory of Constraints)
ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か / エリヤフ・ゴールドラット 三本木亮

■ソーシャルメディア
グランズウェル / シャーリーン・リー、ジョシュ・バーノフ

■組織マネジメント
感じるマネジメント / リクルートHCソリューショングループ

■行動分析学
行動分析学マネジメント / 舞田竜宣 杉山 尚子
インコのしつけ教室 応用行動分析学でインコと仲良く暮らす / 青木愛弓
On Talking Terms with Dogs: Calming Signals / Turid Rugaas

■図解
ビジネスモデルを見える化する ピクト図解 / 板橋 悟
頭がよくなる「図解思考」の技術 / 永田豊志
プレゼンテーションZen / ガー・レイノルズ 熊谷小百合

■英語
英語耳ドリル / 松澤喜好
これで話せる!英語のバイエル / 大西泰斗、ポール・マクベイ


3.「志」「生き方」編
■志
・竜馬がゆく / 司馬遼太郎
創造と変革の志士たちへ / 堀義人
R25 つきぬけた男たち / R25編集部

■生き方
キャリア・アンカー / エドガー H. シャイン 金井壽宏
さあ、才能に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす / マーカス バッキンガム
これからの「正義」の話をしよう / マイケル・サンデル
・親が死ぬまでにしたい55のこと
「残業ゼロ」の仕事力 / 吉越 浩一郎

■その他
ブイヨンの気持ち。 / 糸井重里



……以上です。
こうやって振り返ってみると、小説をほとんど読んでいない(唯一「竜馬がゆく」だけ…)ことに気づきました。来年は小説にもたくさん取りかかって、楽しみつつ、特定分野を掘り下げつつ、世界観も広げる――そんな1年にできればと思います。

また、来年はこのブログ自体をもっともっと多くの方に読んでいただき、気づきを得ていただけるものにしたいと思います。がんばろ。

2010/12/26

映画:カンフー・パンダ



今回は本ではなく、映画です。ドリームワークス(DreamWorks)の映画「カンフー・パンダ」を観ました。日本では2009年に映画館上映されていたようです。

予告編


主人公パンダ「ポー」の声を演じるのは「スクールオブロック」のジャック・ブラック、師匠はダスティン・ホフマン、修行仲間の女タイガーはアンジェリーナ・ジョリー、と非常に豪華な顔ぶれで、さらに、カンフーの使い手の猿を演じるのはなんとあのジャッキー・チェン。カンフーファンにはたまらないジャッキー起用です。

物語は、カンフーが大好き、だけどちょっとおとぼけなパンダ「ポー」が、ひょんなことから「龍の戦士」というものに選ばれてしまい、さて・・・といった感じの内容です(ネタバレしないようにこれぐらいにとどめます)。

子供向けのアニメだからと油断して見始めると、その内容の濃さに圧倒されます。
・きれいな映像
・アクションシーン
・ユーモア
があるのはもちろんですが、
・愛と憎しみ
・人間(動物?)の心の機微
・人生の本質
などについてもイヤらしくない形で描写されており、たっぷりと楽しむことができます。最初は他愛ないイントロと思っていた「ポーのお父さんがラーメン屋を営んでいるシーン」も伏線としてしっかり後で活きてきたりするので、どれひとつ無駄なシーンがない印象を受けました。

中でも私の印象に残ったのは、「マスター」の台詞です。

There are no accidents.

「偶然はないのです」。

Quit, don't quit.
Noodles, don't noodles.
You are too concerned with what was and what will be.
There's a saying:
Yesterday is history,
tomorrow is a mystery,
but today is a gift.
That is why it is called the present.

逃げ出そうと、逃げ出すまいと。
麺を作ろうと、作るまいと。
君は、過去と未来を気にかけ過ぎている。
こういう言葉があるじゃないか。
昨日のことは終わったこと。
明日のことなんてわからない。
ただ、今日という日は宝物。
だから、「今」のことを(英語で)「プレゼント」って言うじゃないか。

Maybe it can.
If you are willing to guide it.
To nurture it.
To believe in it.
You just need to believe.

できるかもしれない。
もし君が、導き、育て、その存在を信じるのであれば。
君が、信じないとだめだよ。

There is no secret ingredient.

(これは内容と深く繋がる部分なのであえて訳しません…)


……ドリームワークスとピクサーの映画はどれもよくできていて、見終わった後ついつい繰り返し見てしまいます。エンターテイメントの中に学びを得られる、とてもいい映画でした。がんばろ。


おまけ
今年の5月には続編「カンフー・パンダ2」が出るそうです。
カンフー・パンダ公式サイト




追記
カンフーパンダ2の予告編(トレイラー)が公開されていました。ホーホホーホーゥ。

カンフーパンダ2予告編 シンプルな1分バージョン


カンフーパンダ2予告編 見所満載の2分バージョン



追記20120225
続編「カンフー・パンダ2」も観ました。

カンフー・パンダ (日本語吹替版)

2010/12/11

経営戦略を問い直す / 三品和広


神戸大学経営学研究科の三品先生の「経営戦略を問い直す」を読みました。

応用しやすいことを目指して書かれた、実用的「経営戦略」論です。
世間では「戦略」がよく誤解/誤用されることを指摘したうえで、戦略についてのあるべき姿、その構成要素について語ってあります。

本書を読んだ目的

経営戦略の全体像をおおづかみにつかむ。「わかったつもり」だけど、いざ「作る」となるとなかなかできない戦略について考える。
MBA取得を具体的に検討する前に、MBAの限界についても知っておく。

目次

はじめに
第1章 誤信
第2章 核心
第3章 所在
第4章 人材
第5章 修練
あとがき

第1章で戦略についての現状とその問題点を指摘し、2章ででは戦略とは何なのかについて持論が展開されています。続く3章、4章では戦略の形成に関わる「人」について、最後の第5章で「まだ経営者になっていない3人の読み手」――学生、中堅社員、幹部社員についてのメッセージが書かれています。

キーポイント

私が本書から得た学びは主に次の4点です。
1.経営戦略の目的
2.経営戦略の構成要素
3.経営戦略が宿る場所
4.経営戦略のモト


1.経営戦略の目的
経営戦略の目的 = 長期利益の最大化

2.経営戦略の構成要素
経営戦略 = 立地 + 構え + 均整

3.経営戦略が宿る場所
経営戦略が宿る場所 = 経営者の頭の中

4.経営戦略のモト
経営戦略のモト = KKD = 観(K) + 経験(K) + 度胸(D)

ピックアップ

本書の中でココ!と感じたところをピックアップします。

戦略の一般論は簡単です。戦略の個別論も、後付けの説明なら簡単です。ところが、いざ応用となると、足がすくみます。特定の事業が置かれた立場に立ってみると、本当に難しいのです。
あとがきの中にある、数ある戦略論について書かれた一節。この問題意識を出発点として、本書で独自の経営論が展開されます。

同業他社には再現できない何かを盛り込む、そういうところに立ち向かわないかぎり、戦略にはならないのです。
同業他社もできるような衛生要因的なことを「戦略」と言っても大差にはつながらない、というお話。

戦略を「サイエンス」に昇華させようという動きが、いつの時代にも絶えません。(中略)
サイエンス信仰の根底にあるのは、主観を忌み嫌い、客観を尊ぶ一種の価値観です。(中略)
たとえば、近年のMBA人気。(中略)
(しかし)松下幸之助、本田宗一郎、井深大。トーマス・ワトソン・ジュニア、ヘンリー・フォード、サム・ウォルトン。洋の東西を問わず、人の名前がしっかり残っています。(中略)
ある会社を、あるタイミングで任されたとき、何をするのか。どんな手を打つのか。どこに立ち向かっていくのか。これは、まさに人によりけりで、再現性は期待できません。
この指摘にはハッとさせられました。本書を読むまでは、頭のどこかで「戦略はサイエンスだけでどうにかなる」と思っていたところがあります。認識を改めます。

戦略の真髄は、見えないコンテクストの変化、すなわち「機」を読み取る心眼にあると言ってよいかと思います。もちろん、心眼は人に固有のものであり、そこに戦略の属人性が根ざしているわけです。主観に基づく特殊解、それが本当の戦略です。
戦略のフレームワークは、現実をモレなく認識したり、アイデアを人に説明したりするときに便利な道具でしかない。その道具をどう使うか以前の問題として「どう見るか」という問題がある、とのことです。

経営戦略がアナリシスの発想と相容れないのは、その真髄がシンセシス(統合)にあるからです。(中略)
統合は、一人の人間の頭の中でするしかありません。しかも、脳内の横連携がよくとれているという意味で、頭の熟成が進んでいる人を必要とします。手順を踏んで教科書を真面目に勉強すれば、アナリシスの力は確実に上達しますが、シンセシスの場合、コトはもっと複雑で、教科書のない世界で十年単位の鍛錬を重ねないと上達は見込めません。その意味においても、戦略はアートに通じます。
管理や問題解決はアナリシスで良いが、経営は統合である、とのこと。また、経営の能力は実地(経営の体験)の鍛錬を長期間重ねることでしか身につけられない、とのこと。

戦略とは何を意味するのか、百家争鳴のごとく諸説が乱立していますが、結局のところ、「立地」に「構え」を幾重にも重層的に絡め、その上で「均整」を取ることと考えれば、わかりやすいでしょう。

戦略は「立地」と「構え」と「均整」に凝集します。
戦略を3つの構成要素で説明した場合。「立地」なんかは、「事業ドメイン」「ポジション」という横文字よりも、実感があるわかりやすい言葉です。

豊かなポテンシャルに恵まれたという意味でビッグであるか、または競合がいないという意味でユニークであるか、どちらかに該当すれば望ましい立地と言えるでしょう。
「ブルーオーシャン戦略」なんて言葉もありますが、立地の善し悪しは「ビッグかユニーク」か。

戦略はどこに存在するのか。(中略)答は、経営者の頭の中です。組織や文書に戦略が宿ることなど、あり得ません。
この文章にも、ハッとさせられました。戦略は客観的でサイエンティフィックに説明できるもの、という認識を持っていると、その本質の一面しか見えなくなりそうです。。

予想外の新しい展開にリアルタイムでどう対処するのか、それが結果として戦略になる。これが私の暫定的な結論です。
起こりうることをすべて見通して「中長期戦略」を立てることなんてそもそもできるのか、というところからこの結論に。

事業を取り囲む今という時代をどう読むのか、それさえ定まれば、為すべきことは自ずと決まります。仮定は人によりけりでも、推論のプロセスを間違える人は少ないからです。その意味で、戦略の本質は「為す」ではなく、「読む」にあります。経営者が持つ時代認識こそ、戦略の根源を成すのです。
前出の「戦略の真髄は、見えないコンテクストの変化、すなわち「機」を読み取る心眼にある」というのと同じ指摘です。論理で展開できる部分は誰がやっても大差なく、差が出るのは、前提条件の置き方、そのもととなるコンテクストを「読む」ということにある、とのこと。

(戦略を形成する個人の)判断のベースとなるのは、(中略)私は、観(K)経験(K)度胸(D)だと捉えています。
観と経験と度胸、略してKKD! 地に足のついた日本語を使うのが三品先生のポリシーなのでしょう。三品先生の本はこれが初めてですが、日本人として非常にわかりやすいです。私はついわかった風に横文字を使ってしまうので、、反省です。

日本では、管理をマスターしたら、その次に来るのが経営という発想が根付いています。これが違うのです。管理と経営は別物で、経営が管理の上に来るということはありません。守る管理と攻める経営では、純粋に機能が違うため、管理をマスターしても経営ができるという保障にはなりませんし、管理をマスターしなくても経営はできるのです。
管理と経営は別、というお話。

経営は何をもってするものなのでしょうか。答は事業観です。
これも前出の「戦略の真髄は、見えないコンテクストの変化、すなわち「機」を読み取る心眼にある」ということをおっしゃてます。

感想

経営や戦略に対する誤解を私自身がしていたことが痛感できました。経営戦略は、管理ともリーダーシップとも異なる、「アートに近いこと」だという解釈にとてもスッキリしました。今後はもう少し慎重に「戦略」を観ることができそうです。

こんな方におすすめ
・経営に関心がある方
・日本ならではの経営のフレームワークが知りたい方

2010/12/08

残念な人の仕事の習慣 / 山崎将志



「残念な人の仕事の習慣」を読みました。会社の先輩からお借りして。

内容は、「ビジネス」「コミュニケーション」「時間の使い方」という視点で、アイデアを散文的に集めた感じの本です。著者の前著「残念な人の思考法」も読んだのですが、あちらは原理原則について書かれていて、こちらはより幅広い視点で書かれた「応用編」、という位置づけかと思います。


読んだ目的
リフレッシュ。
最近、原理原則やフレームワークに関する本を読むことが続いたので、新たな視点を持つために読みました。


学び
本書を読み通して、著者の「シンプルに、力強く考える力」というものを感じました。
誰もが体験したことがあるような身近なことを「よく考える」ことによって、一本筋の通ったロジックを立て、納得性&新奇性の高いアイデアを抽出する、というのが終始一貫されています。こういうのがナレッジワーカーの「付加価値」というのでしょうか。毎日利用するお店や観戦するスポーツ、日々の仕事の中に、頭さえちゃんと働かせれば「学べる」ことはたくさんあるんだなと思いました。
とても良かったです。


目次
はじめに
第1章 ビジネス編
できる人がやっている「損してトク取れ」方式

第2章 コミュニケーション編
残念なメールは金曜夜にやってくる

第3章 時間の使い方編
残念なタクシーに乗り込む残念な客
おわりに



ピックアップ
本書の中から、ココ!というところをピックアップします。

「無価値な熟練」は世の中にあふれている。
ツールの導入や、仕組みの変更によって会社から無意味な熟練を排除し、人間にしかできない仕事だけを残し、しかもその人間に常に新しい挑戦の機会を提供する企業だけが、成長することができる。
ITの時代、グローバルの時代には、「人間にしかできないこと」に的を絞るということが大事とのこと。

会社全体を見て、売上と利益の総面積を最大化するためにはどうすればいいかという発想
一面的にはマイナスを生む活動も、差し引きでプラスの価値を生むならやるべき。

仕事においては、勉強→実践ではない。実践→課題の発見→勉強の順番が常に正しいのである。
耳が痛い言葉です。。私はつい、「勉強のための勉強」になりがちなので戒めとして受け取りました。

(「MKタクシー」というタクシー会社のサービスレベルが高い理由に言及して)
MKタクシーという会社は、完全な階級社会だということがわかった。
(中略)
タクシーという狭い世界の中にも、階級システムがあって、出世の仕組みがしっかりとつくられているのである。
モチベーションを高めるひとつの仕組み。

(「アクセンチュア」というコンサルティング会社の新人研修に言及して)
東京で採用された社員は、まず2週間のコンピュータ研修を受ける。(中略)
それが終わると、シカゴ郊外にあるトレーニングセンターに送り込まれて、3週間のトレーニングを受ける。(中略)
コースは全て英語で行われ、世界のいろいろな国の新人が一堂に会する。(中略)
日々のスケジュールは次のような感じである。
平日は朝8時から夜の10時までが定時である。(中略)
土曜日は“半ドン”であるから、朝の8時から夕方6時までである。(中略)
日曜日は“休日”であるから、研修時間は朝の10時から夕方の4時までである。
冗談みたい笑。でも、一度はこんな中で仕事してみたいです。

仕事のスピードを劇的に上げるには、同じ量を半分の時間で仕上げる、あるいは同じ時間で倍の量をこなそうとしてみればよいのである。人間は自分が思っているより能力が高い。
よく言われることですが、「ちょっとだけ頑張る」ではなかなかブレークスルーは生まれないものです。「半分にする」の発想を持とう(→これは最近実際に使ってます)。

華やかなプロゴルファーの退屈な日常
(中略)
プロゴルファーの仕事は(中略)基本的に地味である。
(中略)
しかし、である。そういう一見つまらなさそうな仕事の中で、自分なりのおもしろさを見出した人がトップに上っていくのである。
(中略)
面白いことはそこら中に転がっている。キーワードは、ゲーム化、日常へのフィードバック、勉強との接点、自分のポジションの構築である。
繰り返すが多くの人が気付いていないのは、面白い仕事は、つまらない仕事の積み重ねで成り立っているということである。
私はついつい、「仕事の面白さ」は誰かが与えてくれるもの、と考えがちです。これも戒めとして。確かにそうですよね。面白いかどうかは本人次第。面白くないなら、ゲーム性を。

結局のところ所得はどれだけ替わりがきく仕事をしているかと、勤務先のビジネスモデルの二つでほとんど決まるのだ。
所得を決める最大の要因は、ポジショニング。どこに立つか(WHERE)、とのこと。

あなたの仕事は、以下の3点に照らし合わせてみてどうだろうか。
①よその国、特に発展途上国にできること
②コンピュータやロボットにできること
③反復性のあること
(「ハイ・コンセプト」ダニエル・ピンク著を参考に作成)
もし、あなたがこの三つの条件に一つでも当てはまる仕事をしているとしたら、将来をよく考え直す必要があるだろう。(中略)どんな仕事を選ぶかは好みの問題である。(中略)しかし、何年か先には発展途上国並の賃金を受け入れなければならない可能性が高いことを、視野に入れなければならないだろう。
これは21世紀においてどんな仕事をするにせよ持つべき視点だと思います。個人的に、特に怖いのが②。この10年で、「検索」や「リコメンド」のように、ひと昔前までは非常に高度で人間的な知的活動だと思われてたものが、実は、高い演算能力さえあればごくごくシンプルなアルゴリズムで実現出来てしまう、ということが判明しました。次の10年のうちに、検索やリコメンドに次ぐ新しい知的活動が機械に取ってかわられる可能性も。。楽しみ、だけど、こわい。

優良企業の経営者が売上の拡大を求めるのは、単に儲けたいからではない。従業員が次々と新しい仕事に取り組むことで成長し、仕事の楽しみを分かち合いたいからである。
なるほど。。こういう視点はありませんでした。個人の成長のため、楽しみのために規模拡大がある、とのこと。

自分のモチベーションの源泉はどこにあるのだろうと振り返ってみたところ、だいたい次のような感じである。
楽しいことがしたい。楽しいこと=遊びをするためにはお金がいる。だから働かなければならない。(中略)
遊ぶうちにどんどんのめりこんでいく。すると、もっとお金も時間も必要になる。だから短い時間で稼がなければならない。それには、収益性が高いビジネスをやらなければならないし、個人としても勉強して人ができないことをできるようにならなければならない。自分一人でできることには限界があるから、仲間が必要だ。ただし、仲間と喜びを分かち合えるような仕組み・仕掛けが必要だ。また同時に、人間性も高めなければならない。
そうこうしているうちに、仕事自体が面白くなってしまって、のめりこんでしまう。(中略)

このロジックに賛同してくれる人がどれくらいいるのかわからない。
自分のモチベーションの源泉について考えると、私の場合は「楽しいこと」が最初に来るわけではなさそうですが、「仕事にのめりこむ」までの流れには非常に共感します。こういう良い流れを作れると、幸せな働き方ができるのでしょう。


こんな方におすすめ
日常の中で役立つ思考力を鍛えたい方。大きな視点を持ちたい方。でしょうか。