2011/01/18

読書に使えるツール:thinklinkr

今回はツールのご紹介です。

先日読書に使えるマインドマップツールを見つけて喜んでいたのですが、早々により良い読書ツールに出会えたので今はむしろそちらをよく利用しています。


thinklinkr

thinklinkrはいわゆる「アウトラインプロセッサ」というもので、文章を構造的に書くことができるテキストエディタです(利用には無料登録が必要です)。アウトラインプロセッサは(論理的な意味で)マインドマップと同じ機能を持ったツールで、これを使ってテキストを書くと
・キーワードや文章を構造的に配置
簡単に組み替える
ことができます。

私の場合は、本をある程度読んだ後に、おさらいやまとめをするために使っています(…といってもまだ数冊ですが)。たとえば、現在私が読んでいる「デザイン思考の道具箱」という本でやってみると次のようになります。


本をある程度読み進めたら、まずタイトルを打ち込み、「書かれていること」(=目次)と「学んだこと」(=ポイント)をリストにしておきます。


次に、「目次」の中に、ツリー構造で中身を入れておきます。本に書かれている目次を単純に写すだけなので、さっと作ります。


「ポイント」の中にも、ツリー構造で要素を入れていきます。こちらは本をパラパラめくりながら、ひとつずつ付け加えていきます。同じようなポイントがたくさん出てきたら、グルーピングします(ひとりKJ法をしている感じになります)。

本を読み進めるときには、常にこのアウトラインプロセッサで全体像と各項目の位置関係を確認しながら読み進めていきます。そうすることで、本を「ただ読む」のではなく「考えるために読む」「身につけるために読む」ということがよりスムーズにできます(あくまでも私の場合は、です。個人差はあるかと思います)。

ツリー構造の部分は、Ctrl+Shift+矢印キー左右同時押しでいつでも展開/集約することができます。


このthinklinkr、機能はいたってシンプルなのですが、ブラウザがあればどこでも使えますし大活躍してくれます。読書にマインドマップを使う方・使いたい方にはいいのではないかと思います。


おまけ
私は今回thinklinkrを知るまで、「アウトラインプロセッサ」というものの存在を知りませんでした。。Macではオムニアウトライナーなど有名なソフトがあるみたいですね。。
アウトラインプロセッサについてはこちらがわかりやすいです。
アウトラインプロセッサ - Wikipedia

2011/01/16

図解 ブッダの教え 普及版 / 田上太秀監修


ブッダの教え」を読みました。

近々住職の方に会う機会があるのですが、仏教について知ってるつもりであまり知らなかったので、改めて勉強するためにこの本を手に取りました。

今回読んで一番強く感じたのは「日本人は宗教をあまり強く持ってないようでいて、実はその考え方のベースには確実に仏教の考え方が根付いているんだ」ということです。

この本を読むと、そのあたりのことがじわじわと感じられます。最近流行っているというシンプルライフや断捨離の考え方が2500年に興った仏教の中にすでに含まれていて、私たちはそれをどこかで見聞きして育ち、「受け皿」「土壌」のようなものを心の奥底に蓄積しているからこそ、ああいった提案(減らす発想、中庸をよしとする発想)が日本でブームになりうるのだろうと思いました。

その時々の社会現象として流れていくさまざまな考え方を絶えず取り入れるのも良いのですが、一度腰を据えて仏教のことをきちんと勉強し、自分なりの世界観、人生観を築いておくのもひとついいのかなと読み終えた後の今は思います。

言葉で知るのはそれほど難しくなくても、実践となるととても奥が深そうです。


目次
序章 ブッダ基礎知識
第1章 覚りへの道
第2章 伝道の旅路
第3章 ブッダの教え
第4章 教えの継承
第5章 仏教の伝播



まとめ
主な学びのポイントをキーワードでピックアップしたいと思います。


■仏教とは
位置づけ
世界三大宗教の1つ。キリスト教、イスラム教、ヒンドゥー教の次に人口が多い(世界の5.9%)。

特徴
崇拝対象が複数ある(諸仏)。唯一の聖典がない。

起源
紀元前5世紀頃に興る。ゴータマ・シッダッタが始めた。

種類
・上座部仏教
・スリランカ仏教
・大乗仏教
・日本仏教
・平安時代
・天台宗
・真言宗
・鎌倉時代
・浄土系
・浄土宗
・浄土真宗
・時宗
・禅系
・臨済宗
・曹洞宗
・その他
・日蓮宗
・密教
・チベット仏教


■ブッダの考え方

ビジョン・目的
1. 苦しみの除去
2. 輪廻からの解脱

世界観
1. 諸行無常
すべてのものは移ろう。
2. 諸法無我
すべてのことは「縁起」で連なっており、独立して成り立つ「私のもの」などない。
3. 涅槃寂静
あらゆる煩悩を滅したために苦が存在しない「覚り」の境地は安らかである。

方法論
1. 四苦八苦
四苦
生苦・老苦・病苦・死苦
八苦
愛別離苦(あいべつりく)・怨憎会苦(おんぞうえく)・求不得苦(ぐふとっく)・五蘊盛苦(ごおんじょうく)
2. 四諦
苦諦・集諦・滅諦・道諦
3. 八正道・中道


■ブッダ以後に付け加えられた考え方
六道輪廻
八大地獄
大乗仏教
救済
慈悲
菩薩の意味の変化
六波羅蜜
此岸・彼岸
浄土
仏像
仏伝
ジャータカ
釈迦八相
過去七仏


これまでは「解脱」「諸行無常」「八大地獄」「浄土」などの概念をピンポイントかつごちゃまぜにして覚えてしまっていたので、この本を読んで階層的、時系列的に整理されたひとつの全体像を把握することができたのはとても大きかったと思います。



仏教も「宗教のひとつ」とのことなので、「信じる」という側面がもっと大きいのかなと思っていましたが、あまりその側面は大きくなく(大乗仏教になってから増えましたが…)、シンプルに「苦しみをなるべく減らしてよく生きるには?」ということを考えたものだという感じがしました。


……この本を読んだことによって、さまざまな社会現象の見方が少し変わりそうです。

元Google日本法人社長の方が書かれた「村上式シンプル仕事術」にもこのようなことが書かれていましたが、これからのグローバル社会に通用するコミュニケーション力の基礎を固めるために「自分のアイデンティティの確認する」(=自国や宗教のことをきちんと知っておく)ということもやるべきかなと思いました。


こんな方におすすめ
・仏教の全体像を改めて学びたい方
・自分の世界観・歴史観を強化したい方
・日本人や仏教徒としてのアイデンティティを確かめておきたい方


おまけ
Wikipediaにもいくらか仏教の解説があり、参考になります。
仏教 - Wikipedia
仏教用語一覧 - Wikipedia


2011/01/07

20代にしておきたい17のこと / 本田健 その2


今回は、ひとつ前に挙げた「20代にしておきたい17のこと」の内容ピックアップです。

ちょっと多めで20個近く挙げています。

内容ピックアップ

人生で早いうちに大きな失敗をすると、あとはプラス勘定になります。
逆に、最初から失敗しないように、安全な道ばかりを選んでいると、失敗もない代わりに、何のドラマもない人生になってしまいます。
リスクを冒して失敗することは20代でできる、いちばんの財産です。

確かに、安全を求めて変化を避けてばかりいる時期には、人生の幅が狭まってるように感じます。リスクを負うという意味でも、失敗に対する免疫をつけるという意味でも、早いうちに失敗しよう。


30代以降の人は「もしも20代に戻れたら……」とみんな思っている。
あなたはいま、その場所にいるわけです。

自分より若い人には「若いんだから何にでも挑戦したらいいよ」と思うのですが、自分に対してはこの視点が欠けがちです。精一杯生きよう。


死ぬときに人生を振り返って、「どういう風に思うんだろう」ということを、いまのうちにシミュレーションしておきましょう。

後悔しないためには、思いつくかぎりの「やりたいこと」をめいっぱいやっておかないといけないなと思いました。寝る時間、だらだらする時間が惜しく思えてきます。


人生は自分が触れたものになる」と私は考えています。
(中略)
自分の環境をどう作るか――それで、その人が変わります。

私の場合も、若くして一流の人と知り合えたことで、「どうせ一度きりの人生なら、あんな感じで生きたい!」と強く思いました。
自分の生活を快適にしてください。リラックスできる部屋で生活し、ワクワクするような仕事を持ち、すばらしい人にかこまれていたら、あなたの未来は明るいでしょう。

人は自分が考えてる以上に環境に左右され、環境によって育てられてるということですね。「環境作り」をもっと積極的にしよう。


たとえ面倒だと思うことに対しても、どうせやるなら、100パーセント楽しんでやるんだという癖をつけておく。そうすると、どんなことにも全力を出せるようになります。
(中略)
もうとにかく、これ以上できないというくらいまで、何でもとことん楽しみながらやってみるといいでしょう。

全力主義で。


親友を持つというのは、すばらしいことなのに、実は人生でもっとも難しいことの一つではないかと私は思っています。
(中略)
信頼関係に基づいた「親友」を持つことは、人生のすばらしいギフトです

ほんと、そうですよね。。親友がいるというだけで人生はずっと楽しいものになります。


あなたの人生は、あなたが教えを受けるメンターの質によって決まるといっても過言ではありません。
(中略)
身近にいる人で、あなたにいろんなことを教えてあげてもいいと思ってくれるような人に弟子入りしましょう。

師匠・弟子の制度がない世界でも、自分が誰かをメンターと決めて弟子入りすれば師匠にできる、と。


すべての体験が人生だから、どれがよい悪いというレッテルを貼らないほうが楽しめるんじゃないかと思います
(中略)
人に裏切られた痛みを体験すると、人の信頼を何よりも大切にしようと考えるようになるでしょう。すべて、無駄なことはないと思うのです。

昨日今日に起こった「悪いこと」を、仮に1ヶ月後、1年後、10年後振り返ったときにどう捉えるだろうと考えたら、「良い経験になった」「良い学びになった」と捉えられるものが大半かと思います。なのであれば、何事にも落ち込む必要はないのでしょう(……と思っていても、実際には落ち込んでしまいますが)。


幸せな成功者は、自分に実によく考えられた質問をします。「このピンチから学べることは?」「このピンチから脱出する方法は?」など、本人がワクワクして行動できる質問をするのです

落ち込むのではなく、前向きに考える、と。


人生を幸せに生きるためには、3つのものが必要です。
自分で変えられないものを受け入れる強さと、変えられるものを変えていく勇気と、その違いを見分ける賢さです。

なるほど。。人生を幸せに生きるための3つの力。1)受け入れる、2)自ら変える、3)見分ける。


どんな逆境であっても、あなたの人間性、情熱、努力でひっくり返すことは、可能です

こう言い切れる人は強いです。こう思おう。


目の前の出来事に、一喜一憂しないことが大事です。(中略)
あなたの人生を決めるのは、その状況に対して、あなたがどう感じ、考え、行動するかだけです。けっして、出来事自体がその決定要因になっているわけではありません。

上記の「無駄なことはない」につながっているお話。価値を生むのは自分自身だ、と。


安定的に成功しようと思ったら、一人ではダメなのです。助けてもらうことで、あなたが本来持っている運(力)が何倍にも大きく育っていきます

なるほど。だから「助けてもらえる人間」になることが必要、と。


それには、3つの運を上げることです。
年上に可愛がられ、仲間に応援され、下の人たちが、あなたのためだったらと駆けつけてくれる……そんな人間になることです。
(中略)
3つの運をいつも意識しておきましょう。
目上だけ見ていてもダメだし、仲間や下の人たちだけもダメです。
3つの運がそろって初めて、あなたは幸せに成功することができます。

ふむふむ。上とのつながりだけ強い人、横だけ、下だけの人、はたくさんいますが、こうやって全方位で考えられてる人は少ないかもしれません。僕も、偏りがちです。


どんなに無謀なことだと思われても、試してみる価値はある。そう思えたら、挑戦してみるのです。
それができるのが、20代なのです。
やってみて、たとえすべてを失っても、そこからまた始められるのです

すべてを失ってもやり直せる。


人生は、冒険です船は港を離れ、大海を航海するために造られています
港にいれば難破することもなく安全ですが、それでは、単なる水遊びです。
チャレンジすることを恐れないでください。
ワクワクすることをやってください
あなたが本当に楽しいと思えることをやってください。

「人生は冒険」。そうだ。


20代にしておきたいこととは、結局のところ、「人生をどう幸せに生きるのか」を考えながら、その基盤をつくることに尽きます。
それは、自分にとって「幸せとは何なのか」を明確にしていくステップともいえるでしょう。仕事だけを考えていたとしたら、もったいなさすぎます。

どうも私は仕事に偏りがちなので、こうやって言われると、大事なことをもっとちゃんと見つめないと!と思います。


あなたの幸せを決められるのは、あなただけです。
また、幸せかどうかを感じられるのも、あなただけです。他の人の基準は、あなたには当てはまりません。

幸せの基準は人それぞれ。幸せ度を高めるためには、基準を持つ必要がある、と。


……私にとってはどれもこれも良い指摘過ぎて、すべてをすぐに実践することはできそうにありません。。でも確かにどれも外すことができない大事なことだと思いますので、忘れそうになったらまた読み返して、すべて実行に移していきたいと思います。

本当に良書です。。




2011/01/06

20代にしておきたい17のこと / 本田健


20代にしておきたい17のこと」を読みました。

……感想は一言、「よかった!!」です。

「20代」と対象を絞ったタイトルですが、内容は年齢にかかわらず役に立つ本です。メインの主張は「大きな視点をもって、後悔のない人生をめいっぱい生きよう」というもので、「17のこと」のうちの大半は10代の人にも90代の人にも、もしかしたら100歳を越えた人にもあてはまる普遍的なアドバイスになっていました。

「17のこと」はいずれも子供のころ誰もが親から言われたような「当たり前といえば当たり前のこと」ばかり。ですが、それを改めてストレートに言ってくれるところがこの本のすごさ、著者のすごさなんだと思います。

わかっちゃいるけど、できてないんです、ということ。大事なんだとわかったつもりでいつの間にかさらっと流していたこと、見て見ぬふりをしてたことを熱く指摘してくれます

目次
はじめに
1 人生最大の失敗をする
2 大好きなことを見つける
3 一流のものに触れる
4 人生を100パーセント楽しむ
5 死ぬほどの恋をする
6 一生つき合える親友を見つける
7 両親と和解する
8 自分のルーツを知る
9 才能のかたちを知る
10 専門分野を持つ
11 メンターを探す
12 人生が変わる本と出合う
13 質問力を鍛える
14 お金と時間の管理を学ぶ
15 没頭できる趣味を持つ
16 異文化に触れる旅に出る
17 運について学ぶ
おわりに
(目次のなかでもとくに感化された部分を太字にしています)

……私なんかはついつい、今の状況やこれまでの経験に基づいて小さくものごとを考えてしまいますが、この本を読むことで「「人生」という大きな枠で考えると、「もっとやるべきことがある」」とストレートに思えました。なるべく思い込みをしないようにしていても、知らずしらずのうちにたくさんの思い込みをしていました。

本書を手に取るまで知らなかったのですが、著者の本田健さんという方はあの「ユダヤ人大富豪の教え」を書いた方だそうです。「ユダヤ人~」を読んだことはありませんが「こういうことを書ける人ならベストセラーになって当然だわ」と納得。いい。お金に対する考え方も、敵対せず、依存せず、ほどよい立ち位置で考えられているようです。ぜひ見習いたいです。

長くなりそうなので、内容のピックアップはまた別エントリでやりたいと思います。

追記
内容のピックアップを書きました。
20代にしておきたい17のこと / 本田健 その2

おまけ
本田健さんの公式ページ



2011/01/04

読書に使えるマインドマップツール



今回はツールのご紹介です。

読書に使いやすいマインドマップツールを探していて、ちょうど使えそうなものがあったのでご紹介します。

Text 2 Mind Map


非常にシンプルな出来で、登録等も必要とせずすぐに使うことができます。操作方法、デザインともにシンプルで、レスポンスが良いのが特徴です(…とはいえ、マインドマップツールをたくさん試したことがあるわけではありませんが……)。

使い方としては、グラフィカルなマインドマップを直接編集するのではなく、画面左にあるテキストエリアに情報を書き込んでいきます。キーワードをTabインデントでツリー構造にして、その下にある「Convert to MindMap」(マインドマップに変換)ボタンを押すと、キーワードが自動的に放射状にレイアウトされた図(マインドマップ)が表示されます。編集に合わせたリアルタイムでの反映はされませんが、ボタンを押した後のレスポンスが非常に速いため、そこは特に気になりませんでした。

ノードの文字色、背景色、フォントサイズなどを変えたい場合には、画面右のパネルを操作します。

作りたいマインドマップが完成したら、「save map」(マップを保存する)を押すと、画像ファイルとしてダウンロードすることもできます。

大規模なマップを作るのには向いていないかと思いますが、情報をサッと整理するのには十分使えると思います。しばらく使ってみたいと思います。


おまけ
試しに、ウェブ進化論の目次をマップにしてみました。

2011/01/01

ウェブ進化論 / 梅田望夫



「ウェブ進化論」を読みました。先月から、自分なりの「世界観」「歴史観」を構築することを目指しており、その一環として。。

ウェブ進化論の出版が2006年の2月ですから、あれから5年。早いものです。

当時ウェブ進化論の中に書かれてある最先端の世界(認識)をかいま見て、非常にワクワクしたのを覚えています。しかし今思えば、私のようなアーリーマジョリティに身をおいている(と自分では思っている…)人間には、ちょっと最先端過ぎだったような気もします。。内容的には、当時のイノベーター、アーリーアダプターあたりの人がメインターゲットの本だったようで、私の場合は頭では理解できても、それを今日の生活から活かす、キャリアプランに活かす、ということはなかなかできませんでした。。

その後の5年間で、私自身の生活や社会の流れを見るかぎり私たちが予感したほどの大きなうねりは訪れていないようですが、ワクワクするような変化はじわじわと着実に起こっています。その後の5年で次のようなものが生まれました(流行りました)。

コミュニケーションプラットフォーム
Facebook
twitter

クラウドストレージサービス
Evernote
Dropbox

画像共有サービス
Flickr
Picasa

画像編集サービス
Picnik
Aviary

位置情報サービス
foursquare

スマートフォン
iPhone + App store
Android端末

タブレットPC
iPad
Galaxy Tab

小型PC
MacBook Air
・各社ネットブック

Wifi端末
Amazon Kindle(電子書籍端末)
ポケットワイファイ(Pocket Wifi)
Eye-Fi

その他
Ustream
UAuth認証
Google chrome + webstore
・グルーポン系サービス(フラッシュマーケ)
・セカイカメラ系サービス(AR)
HTML5 + CSS3

こう見ると、思ったよりも流れが速いところもあれば、遅いところもあります。地域差を考慮せずにグローバルに展開できるコンテンツやサービスは、ものすごい早いスピードで進化しているのがわかります。

…話を元に戻して。内容です。


目的
歴史観をもつ。今後の10年をある程度見通せる力を付ける。


目次
序章 ウェブ社会
第1章 「革命」であることの真の意味
第2章 グーグル
第3章 ロングテールとWeb2.0
第4章 ブログと総表現社会
第5章 オープンソース現象とマス・コラボレーション
第6章 ウェブ進化は世代交代によって
終章 脱エスタブリッシュメントへの旅立ち
あとがき



ピックアップ
本書のうち、ココ!と思った部分をピックアップします。今も今後も十分に参考になる部分だと思います。いずれもちょっと長めですが、いきます。

サンタフェ研究所のブライアン・アーサー(複雑系経済学のパイオニア)(中略)は、2003年11月に(中略)情報革命を5つの大革命のうちのひとつだと彼の歴史観の中に位置づけた。
第一は、英国で起きた産業革命。1780年から1830年。(中略)
第二は、同じく英国で起こった鉄道革命。1830年から1880年。(中略)
第三は、ドイツに移り、電動機と鉄鋼のような重工業分野で起こった革命。
第四は、米国が先駆者となった製造業(マニュファクチャリング)革命。1913年から1970年代まで。(中略)
そして第五が、1960年代に米国で緒についた情報革命。(中略)
こうした革命的変化に共通するパターンとして、最初の段階ではかなりのスケールでのタービュランス(乱気流、大荒れ、混乱、社会不安)が発生するとアーサーは語った。そしてタービュランスに続いて、メディアが書きたてるメディア・アテンションのフェーズに移行し、そして過剰投資が起き、バブル崩壊へと突き進む。(中略)人々は、その技術はおもう終わったと考える。(中略)でも面白いことに、それから10年・20年・30年という長い時間をかけて、「大規模な構築ステージ」に入っていく。

「IT革命」を人類史から俯瞰する視点。過去の革命(パラダイムシフトの時期)に学び、革命がどのような流れで進んでいくのか、途中どのようなフェーズが現れるのかを知っておくことは非常に大切です。現在はIT革命、コミュニケーション革命における「大規模な構築ステージ」に入っているのでしょう。

アーサーの結論をまとめてみればこうなる。
(1) 21世紀の最初の20-30年間に経済に深い変質が起こる。
(2) それはすべてのものがつながってお互いに知的に交信しはじめて、プリミティブだが、経済の神経系ができあがるからである。
(3) 我々が想像したこともなかったような完全に新しい産業が勃興する。
(4) 21世紀の最初の20-30年間は、何とか米国もリードできるだろうが、技術は世界に拡散していく。
(5) 英国で興った他国でコピーされた最初の2つの革命(産業革命と鉄道革命)は、経済の筋肉系を提供した。
(6) 情報革命は、筋肉もエネルギーも供給しない。供給するのは神経系である。
(7) 長期的に見れば、これは産業革命よりももっと深く、もっと重要な転換である。

前出の複雑系経済学者アーサーの意見のまとめ。人間の身体になぞらえた「筋肉」「エネルギー」「神経」という表現は非常にわかりやすいです。人体において「神経系」を鍛えるとできるようになること、というのを考えていくと、IT革命の先が見通せるような気がします。

では、Web2.0の本質とは何なのか。(中略)今も相変わらず議論が続いている。「ネット上の不特定多数の人々(や企業)を、受動的なサービス享受者ではなく能動的な表現者と認めて積極的に巻き込んでいくための技術やサービス開発姿勢」がその本質だと私は考えている。


eベイの創業者ピエール・オミディヤーは「Web2.0とは何か」と訪ねられ、
「道具を人々の手に行き渡らせるんだ。皆が一緒に働いたり、共有したり、共同したりできる道具を。「人々は善だ」という信念から始めるんだ。そしてそれらが結びついたものも必然的に善に違いない。そう、それで世界が変わるはずだ。Web2.0とはそういうことなんだ」
と答えている。


この仕組み(APIのこと)をごく普通のユーザが利用できるだけなのか、それとも開発者がその仕組みの上に新しいサービスを開発できるか。前者でとどまっている限りは、Web1.0。後者まで進んではじめて、Web2.0である。その違いが、Web2.0における重要ポイントだ。

当時流行った「Web2.0」という言葉。当時はわかったつもりになってましたが、今振り返ると、あまりよくわかりません。。コミュニケーションコスト/発信コストが大幅に下がることによって「個人が発信できるようになっる」「ラフなコミュニケーションが増える」ということは実感しますが、それらが「結びついたもの」を感じることはあまりありません。このあたりにどう踏み込めるかが次の課題でしょうか。

総表現社会 = チープ革命 × 検索エンジン × 自動秩序形成システム
という方程式で、ブログと総表現社会の今後を考えてみたいと思う。

「自動秩序形成システム」。これも、検索やリコメンドと同様に、シンプルなアルゴリズムと高い演算能力と保存容量でできるようになるのでしょうか。

さまざまな分野で「学習の高速道路」が敷かれつつあるゆえ、全体のレベルが上がっていることは間違いない。しかし、多くの人が次から次へとあるレベルに到達する一方、「世の中のニーズのレベルがそれに比例して上がらないとすれば、せっかく高速道路の終点まで走って得た能力が、どんどんコモディティ(日用品)化してしまう可能性もある。一気に高速道路の終点にたどりついたあとにどういう生き方をすべきなのか。特に若い世代は、そのことについて意識的でなければならない。

なるほど。消化しきれませんが、ここで言わんとされていることの意味はわかります。

日本という国は、「いったん属した組織を一度も辞めたことのない人たち」ばかりの発想で支配されている国であるという発見をした。
(中略)
グローバルに活躍する日本人たちの経験に共通する「転職によるいい意味での人生の急展開」「新しい場での新しい出会いがもたらす全く新しいオポチュニティの到来」「組織に依存しない個人を単位としたネットワークがフル稼働することの強靱さ」「いつ失職するかわからない緊張感の中で、常に個としてのスキルを磨き自分を客観的に凝視し続ける姿勢がいかに個を強くするか」といった新しいキャリア・パラダイムについて、日本のエスタブリッシュメント層の人々は、頭では理解できても、経験に裏打ちされた想像力が全く働かないのだ。
グローバルに活躍する日本人(中略)は決して「特別な人たち」ではなく、これからの日本人一人一人が経験するはずの世界を先に経験した「普通の人たち」なのだと痛感した。
これから日本は、大組織中心の高度成長型モデルではない新しい社会構造に変化していき、私たち一人一人は、過去とは全く違う「個と組織との関係」を模索しなければならないだろう。

日本人の特質とはまた別の問題として、新しい「個人の働き方」と「組織の形」ができるというところには納得です。伝統的なものづくりをしている分野はまた別かとは思いますが、望むと望まざるとに関わらず、今後の十数年のうちに働き方と組織の形がガラッと変わるように思います。


…以上です。


感想
内容を頭で理解することはできるのですが、強い実感をもってこの「うねり」感を感じてその中に身をおくというのは非常に難しいように思いました。今後は、ウェブ時代の資本主義で、「多くの人が望むもの」が現実化される方向に進むかと思うので、
・望みを持ち、それを表出する
・流れを読み、適切な場所に身をおく
ということは継続してやっていきたいと思います。