2011/05/29

整理術に関する本のまとめ――ケース別おすすめの一冊

Book Addiction
photo by: Emily Carlin

今回は書評ではなく、整理関連本の「まとめ」です。

整理」ということについての理解を深めるため、このところ整理関連の本を集中的に読んできました。読んだ本の数は熟読30冊、ざっと読んだだけのものを含めると50冊ほどになるでしょうか。

これだけ読んできて感じるのは、「整理本の根底にある考え方はどれもよく似通っている」ということです。突き詰めていくと整理とは「本当に大切なものを見極めて、適材、適量、適所を心がける」。そこに尽きるのかなと思います。

ただ、根底の考え方は似ているといっても焦点や表現方法は本によってさまざま。それぞれに特徴があります。

ですので、今回は整理関連本のまとめとして、「こんなときにはこれがおすすめ」とパターン別におすすめ本をご紹介してみたいと思います。


01 小難しく考える前に・・・直感的に読める一冊

まずは、「整理について直感的に楽しく学びたい」という場合におすすめの一冊。「片づける技術」は著者の体験をつづったマンガ仕立てになっています。「ライフオーガナイズ」は雑誌感覚で楽しく読める一冊です。
片づけられない女のためのこんどこそ!片づける技術 / 池田暁子
ライフオーガナイズ もっと心地いい暮らし方 / 日本ライフオーガナイザー協会監修


02 文字が大きめでサッと読めてわかりやすい一冊

ささっと読んで整理のことをおおづかみに把握したい」、そんなときはこれらの本がおすすめです。
人生がときめく片づけの魔法 / 近藤麻理恵
たった1分で人生が変わる片づけの習慣 / 小松易
整理収納アドバイザー公式テキスト 一番わかりやすい整理入門 / 澤一良


03 網羅的――具体的なアドバイスが満載な一冊

洋服、本、書類、郵便物、いただきもの、思い出の品などなど、整理の対象となるエリアはたくさんあります。「エリア別に詳しいアドバイスがもらいたい」、そんな場合はこの2冊がおすすめです。
アメリカ・ナンバーワンNo.1 最強整理術 / ドン・アスレット 嘉山由美子
ガラクタ捨てれば自分が見える 風水整理術入門 / カレン・キングストン 田村明子


04 体系的――明確でわかりやすいプロセスが載った一冊

いざ「整理をしよう!」と思っても、何から手をつけていいのかわからない場合もあります。そんなときには、何をどういう順序で片づければいいのかが書かれたこちらの本がおすすめ。最初のステップは「適量」をつくるために「捨てること」です。
「捨てる!」快適生活―部屋スッキリの法則 / 飯田久恵


05 整理の仕事「プロフェッショナルオーガナイザー」についてよくわかる一冊

アメリカをはじめとする英語圏で活躍する整理のプロ「プロフェッショナルオーガナイザー」について知りたい場合はこちらがおすすめ。
モノとわかれる!生き方の整理整頓 / 大塚敦子


06 仕事に使える一冊――デスクワーク全般

整理術が役立つのは生活だけではありません。整理のアプローチと技術は、デスクワーク、問題解決、企画、プレゼンテーションといった、仕事のさまざまなシーン(あらゆるシーン?)で役に立ちます。こちらは現代のデスクワーク全般をテーマとしています。
気がつくと机がぐちゃぐちゃになっているあなたへ / リズ・ダベンポート 平石律子


07 仕事に使える一冊――「問題解決」

こちらは問題解決がテーマの本です。整理とは一見関係のない本のようですが、いま置かれている状況を性格に把握したり、問題を解決したりするのは「思考の整理」といってよいでしょう。
いかにして問題をとくか / G.ポリア(G.Polya) 垣内賢信
[新版]MBAクリティカル・シンキング / グロービス・マネジメント・インスティテュート


08 仕事に使える一冊――「戦略立案」「企画」

そしてこちらは、戦略立案と企画のための整理本。日本を代表するクリエイティブディレクター・佐藤可士和さんのベースであるロジカルでクリティカルな一面を垣間見ることができます。
佐藤可士和の超整理術 / 佐藤可士和


09 仕事に使える一冊――「図解」「プレゼンテーション」

アイデアを展開したり、人と共有したりするときに役に立つのが「イメージ図」。こちらは図をうまく書くための「図解の技術」が学べる一冊です。思考の整理、という意味で言うとこれも立派な整理本です。
頭がよくなる「図解思考」の技術 / 永田豊志
ビジネスモデルを見える化する ピクト図解 / 板橋 悟


10 整理が行き届いた究極の状態「シンプリシティ」に関する一冊

整理の末に行き着くひとつの理想が「シンプリシティ」と呼ばれる状態。こちらはデザイナーでありRISDの学長でもあるジョン・マエダさんが書いた一冊です。
シンプリシティの法則 / ジョン・マエダ


11 数百年の歴史を持つ日本古来の生活学「禅」に関する一冊

断捨離や整理ブームのずっと前から日本人に伝わってきた「禅」思想。禅にも、整理に通じるノウハウがたっぷりあります。
人生が豊かになる 禅、シンプル片づけ術 / 枡野 俊明


12 整理と対をなす「掃除」に関する一冊

必要なモノを活用するのが「整理」ならば、不要なものを排除するのが「掃除」です。これらの本を読むと、一見地味な掃除の価値がよーくわかります。
掃除道 / 鍵山秀三郎著 亀井民治編
3日で運がよくなる「そうじ力」 / 舛田光洋


・・・以上です。

「整理」ひとつとってもこれだけいろんな切り口があって、奥が深い! 面白いです。さらに掘り下げていきたいと思います。

おまけ
整理と習慣化のための読書録の整理カテゴリの記事一覧はこちらです。

2011/05/25

気がつくと机がぐちゃぐちゃになっているあなたへ / リズ・ダベンポート 平石律子 2回目


前回に引き続き「気がつくと机がぐちゃぐちゃになっているあなたへ」(原題:Order from Chaos)について書いています。

前回は本書のエッセンス7点のうち4点挙げたので、今回は残りの3点を。


5. 行動ルールその1:先延ばしはせず即断即決する

「コックピット」「管制塔」「駆け込み寺」の環境作りが一通りできたら、次は行動ルールを身につける段階です。そのひとつめが「即断即決」―情報を入ってきた瞬間に判断すること――です。
本当は、書類を手にした時点であなたはそれをどうしたらよいか、99.9パーセントわかっている。だから、決めてしまおう。
初めて書類を手にしたそのときに判断を下そう。そうすれば、整理時間を短くし、ゴミを減らせるのだ。
「管制塔」でできる日を決めて「自分がすべきこと」を書き込み、文書を妥当なファイルに収めれば、それで終わり。簡単なことだ。


6. 行動ルールその2:優先順位をとにかく冷静に見きわめる

仕事をする上で最も難しく最も重要なのが、優先順位の見きわめ。高いパフォーマンスを継続的に出すためには、本当に価値の高いことを見きわめ、それに時間と神経を集中させることが必要です
統計によると、日々、仕事を中断させる事柄のうち、本当に対応する価値のあるものはわずか15パーセントしかないそうだ。
優先順位を見きわめて重要な用件に集中し、邪魔ものを退けよう。
今日にあるタスクの優先順位が決められない、あるいはあいまいな場合は、そもそも、人生の優先順位が不明確である場合が多いようです。
優先順位をつけたリストが機能するためには、まず、あなたが自分の優先順位を決めなければならない。

常に問うべき問いは「この短い一生をどういう人生にしたいのか?」「そのために今日何をすればいいのか?」という問いです。
一日が終わったとき、自分の目標に向かって本当に重要な仕事が遂行できているようにするには、どんな基準を使ったらよいのだろう?

「優先順位に執着するなんて束縛されるようで嫌だ。そのときそのときで気ままに生きていたい・・・」と思う方には、著者のこんな助言が響くかもしれません。
あなたには「したほうがいい用件」をこなす時間はないのだ。あなたには「やらなければならない用件」と「必要な要件」をこなす時間しかない。

今の景色は過去の自分の習慣で決まっており、5年後、10年後の未来の景色は今の自分の習慣で決まります。
“今日の用件”リストを見るだけで、その持ち主の10年後が予測できると思っている。つまり、こういうことだ。もしあなたのリストに「ビジネスを維持すること」と「生き残るためにすること」だけしか書かれていなければ、10年後のあなたはいまのあなたと少しも変わらず、何かが変わることを期待するだけで、いまと同じことをしているにちがいない。
もしあなたが目の前の景色を変えたいと思ったら、現状維持の用件だけではなく、より大きな目標に向かうステップを少なくとも一つ入れておくようにしよう。
「生きていればいい」モードにとどまっていたら、あなたのまわりの景色は決して変わらない。

この「優先順位の見きわめが大切」ということは、ドラッカーが「プロフェッショナルの条件」やその他の著書で口酸っぱく言い続けていることでもあります。


7. 行動ルールその3:仕事の準備と後片づけを徹底する

最後は、仕事の準備と後片づけ。いったん仕事モードに突入したら途中で路線変更をしたり邪魔をされたりしないよう、準備や後片付けをきちんと行うことが必要です。
まず、一日の計画をチェックする。「管制塔」を確認し、優先順位をつけて一日をはじめるのだ。
一日の終わりには、きちんと一日を終える。
何もかも始末をつけたうえで一日を終えるのだ。
仕事を始める前に気が散る要因をすべて排除してしまうのだ。こうすれば、“一時間仕事”が確実に一時間で終わり、四時間もかからないから三時間ずつ節約できるということを覚えておこう。
「管制塔」リストの「今日の用件」の優先順位が一番目の仕事に必要なファイルや道具を集める。デスク上にはその仕事に関わるものしか置かないようにしよう。(中略)
そして完全に終わるまでその“用件1”に集中する。
一日の終わりに「管制塔」をチェックし、その日の用件すべてに何らかのマークをつけよう。

・・・以上です。


一言感想

快適なデスクワーク環境を作る」という観点で押さえるべきポイントがこの一冊で大方網羅されているのではないかと思いました。

3つの環境作り――「コックピット」「管制塔」「駆け込み寺」と3つの行動ルール――「即断即決」「優先順位」「準備と後片づけ」が徹底できれば、快適な環境のなかで気持ちよく仕事することができそうです。

著者の考え方を私自身の生活に取り入れてどんどん改善していきたいと思います。


こんな方におすすめ
・デスクワークの大事な基礎を学びたい
・たくさんのタスクがある生活をうまく整理して楽しく過ごしたい


おまけ
著者が運営する「Order from Chaos」のページはこちら。
Liz Davenport's Order from Chaos


追記
類書「はじめてのGTD ストレスフリーの整理術」についても書きました。

2011/05/22

気がつくと机がぐちゃぐちゃになっているあなたへ / リズ・ダベンポート 平石律子


気がつくと机がぐちゃぐちゃになっているあなたへ」を読みました。原題は「Order From Chaos」。

本書は、整理術のカウンセリング会社を主催する「整理のプロ」が書いた、「快適なデスクワーク環境作り」がテーマの一冊です。
シンプルで、わかりやすく、楽に続けていける整理法が一つあれば、あなたをうんざりさせ、いらだたせるデスクの上の山はきれいさっぱり片づくのだ。
そうした一つですべてをカバーできる整理法、それが本書の整理法だ。

整理」(の中でも特にデスクワーク環境の整理)についての理解を深めたくて読みました。


目次
はじめに
ゲーム・プラン
準備STEP 空きスペースをつくる
STEP1 デスクを「コックピット」にする
STEP2 毎日の「管制塔」を持つ
STEP3 書類の“駆け込み寺”をつくる
STEP4 いま!決める
STEP5 つねに優先順位を見きわめる
STEP6 毎日の習慣
さいごに


たくみな比喩を用いながら、環境つくりのステップを順序だてて説明してあります。整理関連本としては分量がやや多めの部類に属する本書ですが、文章の構造・表現ともにわかりやすいため飽きることなくサクサク読み進めることができました

目次がそのまま本書のエッセンスを表しているので、目次に沿って内容をピックアップしてみたいと思います。

今回は長くなりそうなので2回に分けました。全編となる今回は全部で4点です。


1. 整理された快適なデスク環境 = 3つの環境作り + 3つの行動ルール
本書が提案する快適なデスク環境作りは、6つの項目――3つの環境作りと3つの行動ルールからできています。

その問題意識の発端となるのが、世の中にあふれている膨大な「ムダ時間」。

本書では
・平均的なビジネスパーソンが探し物に費やす時間は1年でおよそ150時間
・平均的なビジネスパーソンには、1日に190もの新しい情報が飛び込んでくる
・オフィスワーカーは、1日に2時間も「円滑なおつきあい」や雑用のために費やしている
・パフォーマンスが最大となる「フロー状態」がいったん中断されると、再びその状態に戻るのには平均で20分かかる
などなど、オフィスワークに蔓延する数々のムダ時間が紹介されています。


2. 環境作りその1:デスクを「コックピット」に見立てる
本書のもっともベースとなるアイデアは「デスク=コックピット」。コックピットは、高度な判断をすばやく行えるようインタフェースが最適化されています。デスクをコックピットだと考えると、改善の余地はいっぱいあります。
デスクをあなたの「操縦席(コックピット)」だと考えてみてほしい。「コックピット」のなかには、「現在進行中」の仕事に関するものだけしか必要とされない(以下略)。
仕事をしようとデスクの前に座ったら、毎日、毎週、毎月、使うものがそれぞれあるべき場所になければならない。
あなたがどのように働き、何を使うかによってあなたの「コックピット」をあなた仕様にして、道具を使用頻度順に並べておかなければならない。
上記は基本的なアドバイスですが、応用編のアドバイスとしては
・頻繁にたまるもの専用のトレーをつくる
・“定位置”をつくる
・移動するとき用キットをつくる
・「どうでもいい」郵便はすぐ捨てる
なども挙げられています。


3. 環境作りその2:タスクを一元管理する「管制塔」を設ける
コックピットにつづく2つめのアイデアは「タスクリスト=管制塔」。タスクリストは複数の場所に分散させず、頭の中に留めておかず、一ヶ所にまとめて書いておくのがポイントです
「管制塔」とは、毎日のレーダー・スクリーンを与えてくれる手帳のことだ。(中略)仕事でも、一日にしなければならないことをすべて映し出すスクリーンが一つ必要なのだ。

内容として書き込むのは次の3つの情報です。
優先順位付きの本日の用件リスト
タイムスケジュール
付記(本日の出張先の地図や会議の議題、アイデアなど)

一元化したタスクリストがあれば、タスクを覚えておく必要がなく、覚え書きを探す必要もありません。「ここを見ればやることがすべてわかる」という安心感も生まれます。


4. 環境作りその3:タイプ別にバッチ処理するための「駆け込み寺」を作る
管制塔が機能し始めたら、次は「今すぐ対応しなくてもいいタスク」――優先順位が低いもの、ひとつひとつ個別に対応すると非効率なもの――の行き先を確保する、ということをすると、コックピットと管制塔がよりスムーズに機能します。
保留の書類を入れておく「保留ファイル」は、ゴミの山をなくすための“駆け込み寺”
何らかの対応をしなければならないが、それほど重要ではないか、大きな問題ではないか、専用のファイルをつくるほどでもない用件に関わる文書全部を一時保管しておく
「保留ファイル」は「管制塔」があらかた始末してくれたがらくたの残りをすべて片づけてくれる。
「保留ファイル」に入れる文書が関わっている用件は、「管制塔」の該当日の「今日の用件」リストに書き留める。


・・・今回は以上です。1で述べた「3つの環境作り + 3つの行動ルール」のうち、今回は「3つの環境作り」についてのみピックアップしました。

次回は後編。後者の「3つの行動ルール」を取り上げたいと思います。


追記
気がつくと机がぐちゃぐちゃになっているあなたへ後編を書きました。


さらに追記
類書「はじめてのGTD ストレスフリーの整理術」についても書きました。

2011/05/18

モノとわかれる!生き方の整理整頓 / 大塚敦子


モノとわかれる!生き方の整理整頓」を読みました。

「生活オーガナイザー」がテーマの本です。

2005年当時、日本ではほとんど知られていなかった「生活オーガナイザー」(プロフェッショナルオーガナイザー)という職種を日本にいち早く紹介し、生活オーガナイザーの考え方、シンプルライフのメリット、お部屋整理(片づけ)の具体的なコツなどが解説されている一冊です。

著者はこの本の目的を次のように述べています。
生活オーガナイザーに啓発されて、「モノとのわかれ方」を学びはじめた私のささやかな経験を、もっと自由に生きたいと思っている人たちとわかちあうことが、いちばんの目的である。

私は、整理についての理解、そして、生活オーガナイザーというものへの理解を深めるために読みました。

目次
はじめに
第1章 生活オーガナイザーとの出会い
第2章 私も日本でやってみた
第3章 よけいなものを持たないために
おわりに――あとがきにかえて
巻末資料 ※寄付先一覧など


私がこの本から得た学びのポイントをピックアップしてみたいと思います。「生活オーガナイザー」に関する記述を中心に、今回は全部で8点です。

1 「生活オーガナイザー」とは?

アメリカで広まっている職種「生活オーガナイザー」とは、生き方や生活全般を俯瞰した上でモノや空間を整理するお仕事です。
よけいなものを減らし、家のなかをすっきり片づけたいと思っても、ひとりだと捨てる決心がつかなかったり、つい座り込んで昔の手紙など読み始めたりして、なかなかはかどらないもの。だが、プロフェッショナル・オーガナイザーは、第三者の立場から冷静に全体を見て、よけいなものは取り除き、必要なものはより使いやすいように配置してくれる
日本で言うところの「収納アドバイザー」のようだが、単にものを捨てたり、収納の問題を解決したりするだけでなく、生き方や生活全般の見直しをする手助けをしてくれるので、むしろ「生活オーガナイザー」と呼ぶほうがぴったり来る。
この仕事は、ただ、ものを片づけるだけではなく、その人がどんな生き方をしたいのかを見いだす手助けまでする、大変奥の深い仕事らしいということだ。

2 「生活オーガナイザー」という職種が誕生した背景

アメリカでも、「物質的な豊かさ≠幸せ」という認識が急速に広まってきたそうです。

そこから、これ以上物質的な豊かさを追い求めるよりも、一度冷静に立ち止まって、人生に対する考え方・価値観を見直し生活のあり方やモノとの関係を根本から整理したい、と考える人が増えてきたそうです。
20年前の生活と比べて「豊かになったか」という問いにはほとんどの人がイエスと答えたのに対し、「幸せになったか」という問いには、ノーと答えた人の数のほうがずっと多かった、という記事が出ていた。
ものを増やし、物質的に豊かになればなるほど、その生活を守るために、お金もストレスもかかってくる。

3 アメリカの生活オーガナイザーのサービス提供プロセス

著者が実際に生活オーガナイザーがサービスを提供する場面に立ち会ったところ、ケースバイケースではあるものの、おおよそ次の流れが共通していることが見てとれたそうです。
1.クライアントとのインタビュー 「なぜ?」「どんな?」
2.何を目標にするか決める
3.目標にそって、スタート
4.自分が何をどれだけ持っているのか把握する
5.持っているもののうち、何を置いておきたいか、選ぶ
6.迷ったものは「六か月箱」、寄付するものは「寄付箱」、捨てるものは「ゴミ箱」へ
7.置いておくものを、使いやすく整頓する

流れとしては、まずは、1)クライアントの根源的な欲求ビジョンを聞いた上で、2)その人に合った目標を定め、3)現状を把握し、4)具体的にモノを分類し、行き先を決定していき、最後に、5)残ったものを使いやすい状態にする、という流れになっているようです。

4 生活オーガナイザーをする上で核となる問い

生活オーガナイザーは、表面的な活動はモノを片づけたり空間をシンプルにしたりすることにありますが、その活動の軸には常に「クライアント自身がどういう生活をしたいのか?」という問いがあります。
生活オーガナイザーがクライアントに投げかける、もっとも基本的な問い。
あなたは一日を、どんなふうに過ごしたいですか?
自分の生活のなかで、何が必要で何がよけいなのかを考えるとき、この問いに思いをめぐらすことは、ほんとうに大切だと実感した。

5 整理(片づけ)が手に付かない大きな原因

「いつかやりたい」と心では思っていても、多くの人がなかなか整理に取りかかれない理由には大きく2つの理由があるそうです。1)優先順位が低くて時間が取れない、2)ルールが決まっておらずやり方がわからない
なぜ、すぐ片づけないで先送りにしてしまうのだろうか。その原因を自分なりに分析してみると――
1.もっと優先順位の高い目のまえの仕事に追われているので、時間がない
2.入れる場所が決まっていない
3.住所などの個人情報が入っているので、そのままでは捨てられない
私の場合は、ほぼ右の三点に集約されることがわかった。

また、著者が挙げているものに加えて、私は「整理の価値が認識できていない」というのも大きな理由のひとつにあるかと思います。

6 二度とモノがあふれる生活に戻らないための工夫

大がかりな整理をして部屋を片づけても、時間が経つにつれて元の状態に戻ってしまったら元も子もありません。モノの量を一定に保つためにできることとして、著者は次のようなことを提案しています。
買い物の仕方を変える
よけいなものを買わないこと
ひとつ新しいものを買ったら、ひとつ古いものを手放すこと
「これを買う」というはっきりとした目的がないかぎり、デパートやショッピングモールには足を踏み入れないこと。それと、バーゲンにも行かないこと。

7 いただきものの扱い方

整理をする上で欠かせないことのひとつが「捨てる」という作業。しかし、人からのいただきものなどはそうやすやすとは捨てられないものです。

そこで著者が提案するのは「いただいたことへの感謝の気持ちを十分に味わい尽くすこと」です。
「まず、いただいたものをしばらく家に飾るか、バッグの中に入れて持ち歩く。そして何日か、もしくは何か月かのあいだ眺めて、くれた人の顔を思い浮かべ、感謝してから、寄付箱へ」

逆に、いただきものに対して十分な感謝の気持ちが味わえないうちは、無理に捨てようとするとかえって心理的な負担になるため、その間は大事に持っておけば良いのだと思います。

8 他者の「整理された暮らし」へのきづかい

本書のユニークな点のひとつに「自分の生活だけでなく他人の生活にも配慮した考え方が豊富に紹介されている」というものがあります。

たとえば、「実家を物置き化しない」「誰かにものをあげるときには消費できるものにする」などです。
誰かにものをあげるときは、消費できるものにするように
お勧めは、花束、ワイン、映画のチケット、レストランの食事券など。
ものをあげるんじゃなくて、どうやって、ともに時間を過ごすか、どうやって何かを“いっしょにする”か

・・・以上です。

一言感想

イチ生活者から見た生活オーガナイザーの印象や、実践的な整理のコツなど、整理のプロではない著者ならではの内容が盛りだくさんで、面白く読むことができました。

整理に対する考え方も深まりましたし、生活オーガナイザーへの理解も深めることができました。

こんな方におすすめ
・生活オーガナイザー(プロフェッショナルオーガナイザー)について大づかみに知りたい
・具体的、実践的な整理のコツを知りたい

おまけ
著者の大塚敦子さんのページはこちら。
大塚敦子ウェブサイト ともに生きる
NHKの特集ページもあります。
大塚 敦子「ともに生きる from the world」 - NHKハートネット


2011/05/17

知的生産の技術 / 梅棹忠夫

梅棹忠夫さんの「知的生産の技術」を読みました。

知識を仕入れ、整理し、考察してアウトプットする――「知的生産」の一連の流れに沿って、基本的な考え方とおすすめのツール、具体的活用法を解説した一冊です

初版発行は40年前の1969年。

PCやガジェットを駆使した今風の方法は載っていませんが、ここに書かれている「知的生産」の基本的な考え方やアプローチというのは現代の視点で見ても全く色あせておらず、ほぼそのまま現代人の生活に取り入れることができる普遍性の高いものとなっています。

日本における「知的活動のバイブル」――そう呼んでもよいくらいの一冊だと思います。

先日の「木を植えた人」と同じく、ゴールデンウィークに実家に帰ったときに発見し、懐かしさで読み直してみました。


目次
知識のインプットからアウトプットにつながる一連の流れに沿って、諸々の考え方とツールが簡潔にわかりやすく紹介されています。
まえがき
はじめに
1 発見の手帳
2 ノートからカードへ
3 カードとその使い方
4 きりぬきと規格化
5 整理と事務
6 読書
7 ペンからタイプライターへ
8 手紙
9 日記と記録
10 原稿
11 文章
おわりに


今の私にぐっと来たポイントをピックアップしてみます。今回は全部で3点です。


1. この本のテーマである「知的生産」とは?
本書で言う「知的生産」とは「他人に情報を提供すること」であす。
知的生産というのは、頭をはたらかせて、なにかあたらしいことがら――情報――を、ひとにわかるかたちで提出することなのだ
これは「知的消費」とは異なります。本を読むときもカードをつくるときも、それが生産のために行うのか消費のために行うのかで、取るべき方法は異なってきます


2. 本書が「知的生産の技術」をテーマにしている理由は?
著者が「知的生産」をテーマに本を書いた理由は、「知的生産」が現代に生きる人々にとって非常に普遍的で重要な技術であるにもかかわらずそれを体系的・総合的に学べる場や機会がなかったためとのことです。

資料をさがす。本をよむ。整理をする。ファイルをつくる。かんがえる。発想を定着させる。それを発展させる。記録をつける。報告をかく。これらの知的作業は、むかしなら、ほんの少数の、学者か文筆業者の仕事だった。いまでは、だれでもが、そういう仕事をしなければならない機会を無数にもっている
今日では、情報の検索、処理、生産、展開についての技術が個人の基礎的素養として、たいせつなものになりつつあるのではないか。
(学校では)知識はおしえるけれど、知識の獲得のしかたは、あまりおしえてくれないのである
ここで言う知的生産の必要性や価値は、近年ますます高まっているように思えます。


3. 整理ってどういうこと?
整理とは、機能的にすぐれていること。つまり、必要なものがすぐにとりだせることである、とのことです。
整理は、機能の秩序の問題であり、整頓は、形式の秩序の問題である。
ものごとがよく整理されているというのは、みた目にはともかく、必要なものが必要なときにすぐとりだせるようになっている、ということだとおもう。
また、整理をうまく行うための原則として3つの原則――1)体系的におき場所を決めること2)とりだしやすいように置くこと3)使ったら必ず戻すこと、が挙げられています。
整理を実現するためには、いくつかの原則があるようにおもう。第一に重要なのは、それぞれのものの「あり場所」が決定されている、ということだとおもう。
(中略)
つぎに、その「おき場所」のきめかたは、体系的でなければならない。
(中略)
「おき場所」のつぎは、「おきかた」の問題だ。
(中略)
とりだしたら、あとはかならず、もとの位置に「もどす」。


・・・以上です。


一言感想
アイデアのつくり方」と同じく、「クリエイティブな活動を継続的に行っている人はそのための仕組みを構築している」ということがよくわかる一冊でした。


まさに「魚は与えてくれないけれど、釣り方を教えてくれる」、そんな本です。

この「知的生産の技術」というのは、個人的に国語や算数と並ぶくらい普遍性の高いOSスキルだと思います。これを身につけておけば、その後の人生のすべての知的活動に良い影響がもたらされるのは間違いありません。


こんな方におすすめ
・書くことや伝えることを仕事にしている人
・暮らしの中のいろんなことをアイデアに変えて表現したい人

2011/05/14

人生が豊かになる 禅、シンプル片づけ術 / 枡野 俊明


人生が豊かになる 禅、シンプル片づけ術」を読みました。

著者は、禅寺の住職で庭園デザイナーでもある枡野俊明(ますのしゅんみょう)さん。多摩美術大学の教授もされており、「禅」「日本庭園デザイン」「教育」という3つのプロ視点を持っておられる方です。

一言で言うと、本書は「禅+片づけ」な一冊です。禅宗の考え方や禅寺における修行のあり方をヒントに、一般の人たちが「うまく片づけをする方法」「シンプルに暮らす方法」「心豊かに生きる方法」が説かれています。

今回は「片づけ(整理)」と「掃除」についての理解を深めることを目的に読みました。

目次
はじめに
第1章 禅に学ぶ、持たない暮らし方
第2章 禅的 シンプル掃除&片づけ術
第3章 暮らしが変われば、生き方が変わる
おわりに

今回は、ポイントを片づけ(整理)と掃除に絞って学びをピックアップしたいと思います。今回は全部で4点です。


1 「片づけ」や「掃除」の前提となる人間観・住居観

「なぜ、片づけや掃除をする必要があるのか?すると良いのか?」を知る上でのヒントとなるのが、禅の人間観・住居観です。禅によると、人間というのは、本来、曇りのない純粋無垢な存在です。
私たちは、生まれつき一点の曇りもない、鏡のような心を持っています。
禅には、「本来の自己」という言葉があります。
本来の自己とは、ひとかけらの曇りもない純粋無垢な自分自身のこと。私たちが生まれ持っている、仏様と同じ性質「仏性」のことです。

本来は曇りのない人間の心も、日々の生活を続ける中で塵やほこりが自然とたまっていきます。毎日体を洗うのと同じように、心を磨き洗うために、身の周りの掃除、片づけが必要となります
心の曇りを取り払い、ピカピカに輝かせるつもりで掃除をしてください。そうやって調えた空間で過ごせば、おのずと心の曇りもつきにくくなるでしょう。
仏性を磨き出すために、掃除をするのです。

また、人間は奇跡とも呼ぶべき縁の連なりの中で生きています。そのため、自分の命は自分だけのものではありません。一時の「預かり物」と言うべきようなものです。
両親、祖父母、曾祖父母……と、自分から10代遡ると、ご先祖様の数は1024人にものぼります
(中略)
ご先祖様から途絶えることなくつながってきた尊い命は、あなたひとりのものでは決してありません。いわば、ご先祖様からの「預かり物」です。

自分の命が預かり物なのであれば、自分だけの意思で粗末に扱ってはいけません。
尊い預かり物である自分を、よい環境に置くという責任も私たちは負っています

以上が禅の人間観。一方で、住居観としては、「あるべきものをあるべきところに」、「家のどの部分も大切な場所」といったものがあります。
あるべきものが、あるべきところに、あるべきようにある」という言葉は、禅では真理を表し、また、ひとつの理想を表しています。
玄関には玄関にあるべきもの、リビングにはリビングにあるべきもの、寝室には寝室にあるべきもの。それらがきちんと整えられ、あるべきようにある。これが、心がもっとも落ち着く理想的な空間なのです。
履き物をそろえる。そんな小さなことに、その人の「人となり」が必ず表れます。
本来、玄関は玄妙なる修行の空間に入るための入り口。襟を正して入らなければなりません。
(中略)
玄関は、人で言えば「顔」にあたります
禅の世界では座禅を組む僧堂と同じように、トイレもお風呂も大切な修行の場だと考えられています。
どんなに他の場所で贅を尽くした家でも、トイレとお風呂がお粗末だったら、その家全体の格が下がります。
台所は、命の糧を作り出す大事な場所です
(中略)
禅寺では(中略)食事を作るのは尊い役目であり、また大切な修行なのです。

著者は、その他の家の場所にも重要な役割があると考えています。
客間や床の間は、おもてなしの舞台です
リビングは、ありのままの自分に戻れる場所です
シンプルで快適な寝室がよい眠りを作り、よい明日を作ります
書斎は、仕事や勉強はもちろんのこと、じっくりものを考えたり読書をしたりする、いわば自分と向き合う場所です。
庭は人なり」という言葉があります。
(中略)
1年365日見続ける自分の家の庭やベランダの風景から、私たちは大変大きな影響を受けます。
こう見ていくと、身の周りのモノ、空間のどれひとつとして、なおざりにしていて良いものはないように思えてきます。


2 空間を整える「片づけ」と「掃除」の意義

1の人間観、住居観にもとづき、片づけと掃除には次のような意義があります。
・心のゴミや塵を払う
・心を落ち着かせる
心を磨く
ご先祖様からの預かり物である自分の命を大切にする
あるべきものがあるべきところにあるようにする
・自分や家族が暮らす大切な家を清らかな場所にする
・未来の自分の生活と人格をつくる
・たくさんの人の手を経て自分のもとにやってきたものを大切に扱う
・探し物をしなくてもいいようにする
・夢想無念「そのものひとつ」の感覚でものごとに取り組む「修行」
・即断即決で今この瞬間を精一杯生きる「修行」
執着やこだわりを手放す
喜捨
陰徳を積む


3 片づけの流れ

片づけのステップは大きく2つ、1)部屋をあるべき姿にリセットするフェーズ2)あるべき姿を維持するフェーズ、に分かれます。1はさらに、不要品処分汚れを落とす整理整頓。この3つのステップに分けることができます。
まず必要なのは、部屋を「あるべき姿」にするリセット期間です。
不要品を処分する→汚れを落とす→整理整頓するという段取りで行うと、効率よく作業ができるはずです。


4 片づけのコツ

片づけのコツとしては以下のようなものがあります。
捨てる基準を作って迷わず即決する
・不要なものは他の物に見立てる
・どんな状態であれば良い状態だと言えるのか、観察して学ぶ
無心で没頭する
・仲間を作る
・人からのいただきもの→込められた思いの深さで捨てるかどうか決める
・服→衣替え時に見直す
・かばん→適量・適所を心がける

・・・以上です。

一言感想 「禅は生活学」

本書を読んで得た最大の発見は「禅は生活学だ」ということです。

この本を読む前の私は、禅に対してどこか「崇高で難しいイメージ」を持っていました。しかし、この本を読んでみると、書かれている禅の教えはどれもシンプルで日々の暮らしに直結することばかり。「ちょっとやってみようかな」と思えば即実行できることがたくさん書かれていました。

また、本格的に禅を取り入れる――「持たない暮らし」や「掃除」「座禅」などを行う――ために特別な道具なども一切ないため、禅の教えは誰でも今すぐに取り入れることができます。

禅のベースは仏教で、仏教は宗教のひとつに位置づけられますが、むしろこれは「生活学」と呼んだ方がその実質に近いのかなと思います(ちなみに、ブッダの教えを読んだときには「仏教そのものが生活学に近いんだ」という印象を持ちました)。

こんな方におすすめ
・片づけ(整理)や掃除ができるようになりたい
・禅の教えを日々の暮らしに取り入れたい
・禅における掃除の考え方を知りたい

おまけ
著者の枡野さんの公式サイトはこちら:
徳雄山建功寺+枡野俊明+日本造園設計

著者の枡野さんのプロフィール:
枡野 俊明
1953年神奈川県生まれ。曹洞宗徳雄山建功寺住職、庭園デザイナー、多摩美術大学環境デザイン学科教授、ブリティッシュ・コロンビア大学特別教授。2006年のニューズウィーク日本版「世界が尊敬する日本人100人」に選出される。著書に「禅、シンプル生活のすすめ」「禅的シンプル仕事術」「そのままで 心を楽にする禅の言葉」など。

類似書:
本書の住空間に対する考え方に近いものとしてはカレン・キングストンの「ガラクタ捨てれば自分が見える 風水整理術入門」が、掃除の本質は空間を磨くことではなく心を磨くことにあるとする考え方に近いものとしてはイエローハットの鍵山さんの「掃除道」があります。


2011/05/09

片づけられない女のためのこんどこそ!片づける技術 / 池田暁子


片づけられない女のためのこんどこそ!片づける技術」を読みました。

この本は、片づけが大の苦手で汚部屋に暮らしていた著者が、きれいで整った部屋を実現するまでの事の顛末を描いた片づけ奮闘記です。

全編マンガ仕立てとなっており、「マンガを読み進めるうちに自然に片付け(整理)のコツがわかっていく」という素敵な一冊です。

整理」についての理解を深めるために読みました。

今回本書から学んだポイントを挙げてみます。今回は合計3点です。

1 部屋が片づいていないと困ること

部屋が片づいていないと、大小さまざまなデメリットが生じます。
・モノがすぐに見つからない
・モノがすぐになくなる
・消耗品が使わないまま古くなる
・消耗品のストックが2重になる
・収納スペースにお金がかかる
・ゴキブリが住みつきやすい
・生活リズムが乱れやすい
・休日があっという間に過ぎる
・夜ぐっすり眠れない
・人を部屋に呼べない
これら数々のデメリットを見ると、「片づけをしない(整理術を身につけない)なんて、なんて損な生き方なんだ!」と思えてきます。

2 片づけ(整理)が苦手な人におすすめの5つのステップ

本書では、部屋がぐちゃぐちゃだけど
・なぜ部屋が汚くなるのかわからない
・片づけがどうしてもできない
という人におすすめの「片づけの5つのステップ」(著者が実際に辿ったステップ)が紹介されています。
こんどこそ片づく5つのステップ
1.基地を作る
2.台所を攻める
3.毎日使う物を基地に集める
4.今使わない物を捨てる
5.部屋のマップを作る


各ステップについての私の解釈は以下のとおりです。

1.基地を作る
部屋の中に空きスペースを確保して、「他の場所は汚いかもしれないけどここだけはきれい!」という場所を一ヶ所作ります。基地を作ることで、プチ成功体験を積むことができ、やる気がわいてきます。

2.台所を攻める
他のエリアに比べて判断に迷うモノが少なく、短時間で効果を出しやすいのが「台所」。最初に取りかかるのにおすすめなエリアです。

3.毎日使う物を基地に集める
使用頻度の高いモノを1で作った基地の周りに集めます。基地の周りに集合させることによってモノを探す手間が格段に減るため、手短に片づけのメリットを実感することができます。いわゆる「80対20の法則」ですね。

4.今使わない物を捨てる
「とりあえず持っておこう」のを禁止して、使っていないものをどんどん手放します。手放す基準は、「使えるかどうか」ではなく「使っているかどうか」です

5.部屋のマップを作る
持ちモノの定位置と上限量を決めるために、部屋のマップを作ります。○○グッズはココ、△△グッズはココ、と使用頻度や使用シーンを考慮して、同じグループのものはまとめて配置します。

3 その他片づけのコツ

基本的には上記の5ステップに沿って作業を進めつつ、要所要所で次のようなポイントも意識しておくと、片づけがより簡単で楽しいものになります。
・なるべく小さく始める
・簡単なところから始める
・たまりやすいものを意識的に捨てる
・モノの居場所を決める
・モノの上限量を決める
・散らかったらすぐに片づける

・・・以上です。

一言感想

本書には、片づけが苦手な人が片づけ上手へと変わっていくプロセスがつぶさに描かれています。私自身、著者とよく似た試行錯誤のプロセスを辿ったので、「そうそう!」と膝を打つ共感ポイントがたくさんありました

今回私はまとめるためにポイントをピックアップしましたが、マンガなので難しく考えず気楽に楽しみながら読むことをおすすめします。

「片づけができるようになりたい!」と思っている方が読めば、片づけへのモチベーションがぐっと上がるかと思います。

こんな方におすすめ
・部屋がごちゃごちゃしている
・片づけのモチベーションを上げたい
・他の片づけ(整理)本に書いてあることはちょっと敷居が高いと感じる

おまけ
著者の池田暁子さんの公式ページはこちら。
IKEKYO.com 池田暁子(いけだきょうこ)のHP

片づける技術以外にも「整理術」「貯める技術」「時間整理術」「ダイエット法」「投資入門」に関する本を出されています。





2011/05/08

ピーター流らくらく学習術 / ピーター・フランクル


ピーター流らくらく学習術」を読みました。

著者は、数学者であり大道芸人でもあるピーター・フランクルさん。

本書では、ピーターさんの輝かしい実績
・数学オリンピックで金メダル
・10を越える言語を習得
・大道芸人(ジャグラー)として免許取得
の源泉となった「学習の方法」「学習のコツ」が多数紹介されています。

数学、語学をはじめとするさまざまの分野を、どうやってもっと楽に(効率よく)、またそのプロセスを楽しみながら学習できるのかに、ぼくの話は集中しています。
(中略)
その話の内容をまとめてみたのが、この本です。
みなさんが楽しく学び、自信を持って生きていくことを、ぼくは心から期待しています。


今回は、「学習」についての理解を深めたくて読みました。


目次
はじめに
1 楽しく学ぶ
2 マニュアルでなく、自分の判断で
3 自信をつける
4 発想力を大切に
5 ぼくの外国語学習法
6 自分に最適の方法を見つけよう
7 日本をソフト社会に
あとがき


私がこの本から得た学びのエッセンスを以下にまとめてみます。今回は「学習のコツ」という切り口で5点あります。
1. 学習のコツ:「ざるそば」式記憶法
2. 学習のコツ:楽しむ
3. 学習のコツ:自信をもつ
4. 学習のコツ:休息を取る
5. 学習のコツ:その他のコツ


1. 学習のコツ:「ざるそば」式記憶法
ものごとは「関連付けて覚える」のが一番です。ピーターさんはその記憶法を「ざるそば式」記憶法と呼んでいます。
ぼくは、人間の脳は、ざるそばの「ざる」のようなものだと思っています。つまり、ざるは粒の小さいものを通します。(中略)一方、長いそばは、ざるの上にとどまって、落ちません。
一つのことを、いろいろなものと関連させれば覚えやすいのです。
このように「ざるそば」式記憶法は非常に有効な方法である、とぼくは思っています。
このことはいろんな方が指摘していることでもあります(ただ、このことをこの人が言っている、ということに大きな価値があると思います)。先月読んだ「Holistic Learning」もこのことをテーマにしていました。


2. 学習のコツ:楽しむ
学習の先にあるビジョンにワクワクし、学習のプロセスを心の底から楽しむこと。これが、学習を効果的、効率的なものにする2つめのコツです。

逆に、「楽しくなければ覚えられなくて当たり前」と思ってもいいぐらいかと思います。
強制がなければ楽しい
自分に合うような、自分が楽しめるようなやり方を見つけるべきです。その方法で勉強すれば、自分自身も楽しくなるのです。
人間の記憶を考えると、もう一つひじょうに大切なことは、人間はだいたい嫌なことを忘れるということです。
「へえ、そういう意味なのか」とおもしろく感じます。
ピーターさんは、何かを学ぶときに好奇心をもって、楽しみながら学ぶことを大切にされています。


3. 学習のコツ:自信をもつ
自分に自信を持つこと。良いセルフイメージを持つこと。それが学習のコツの3つめです。

「どうせ自分なんて・・・」と悲観的な態度で学習するのと「自分はできる!」と思いながら学習するのとでは伴う結果は大きく異なります。

何か一つどんな小さなことでもいいのですが、ほかの人よりできるようになれば、それを通して自信がつくのだとぼくは信じています。
ぼくは無神論者で、唯一信じているのは、どの人にもその人にしかできない才能、素質、可能性があるということです。そういう自分の長所を見つけて、それを伸ばしていくことが重要なのです。一つのものを見つけるのが第一歩だと、ぼくは思っています。
人生を左右する大きな要因の一つは、自分に自信を持っているか持っていないかということです。
才能がなかったジャグリングで一定のレベルを達成することができたのだから、ほかのものも同じだろうと考えることができるのです。一つのことに自信を持てたために、いろいろなことができるようになったのです。


4. 学習のコツ:休息を取る
もうひとつの学習のコツは、やり過ぎないこと、しっかり休むことです。
休みは充電になるのです。
ゆっくりと休養をとるのはいいことです。体を休めている間に、人生のこと、会社のこと、自分の研究のことを考えます。渦中にいて考えるのではなく、離れて考えると、それまで気づかなかったことにハッと気づかされることが多いのです。
自分の集中して勉強できる時間を、とくに日本の受験生に見つけてほしいのです。
(中略)
それがわかれば、大事なのは、毎日その時間だけ、ほんとうに勉強することです。それ以上は集中して勉強できませんから、ほかの時間は休んだり、遊んだり、ほかの人生を楽しむのです。ほかの時間に、まだ未練を持って勉強しようとするのは、逆効果です。むしろマイナスになるのです。人間は集中してやらないときはやらないと同じ、あるいは逆にもっと悪いかもしれません。意欲も衰え、疲れがたまるだけです。
集中できずにやるのはかえって逆効果だから、自分が集中できる時間を知ってその時間だけやろう」というのは目からウロコでした。

私の場合で考えてみると、「集中できる時間」は調子が良いときで1日せいぜい5~6時間だと思います。


5. 学習のコツ:その他のコツ
上記の、「ざるそば」式記憶法、楽しむ、自信を持つ、休息を取る、のほかにも、ピーターさんなりの学習のコツがいろいろと紹介されていました。
まちがいを気にしない
・別の人物になる
・試行錯誤する
誰かと切磋琢磨する
すきま時間を活用する
・独り言を言う
教科書は複数使う
日々のニンジンを使う


・・・以上です。


一言感想
この本を読んで一番良かったのは、「裏技はないんだ」ということを再認識できたことです*

大事なのは「楽しみながらコツコツ続ける」こと。軍隊的なストイックさは必要ありません。必要なのは、楽しむこと、自身を持つこと、休息することといったごくごく単純なことだけです。

このことに納得できたら、もうやるべきことは、小さな工夫を積み重ねること、ただそれだけです。

良かったです。

* そういえば、映画のカンフー・パンダにも「There is no secret ingredients」という似た意味の表現がありました。



こんな方におすすめ
・いま何かを勉強している途中
・もっと効果的・効率的に勉強がしたい


おまけ
ピーター・フランクルさんの公式サイトはこちらです。
ピーター・フランクル

2011/05/05

アメリカ・ナンバーワンNo.1 最強整理術 アメリカ1の「そうじの達人」が教える ガラクタを捨て、幸運を呼び込む方法 / ドン・アスレット 嘉山由美子


アメリカ・ナンバーワンNo.1 最強整理術」を読みました。

アメリカ最大規模の清掃会社「ヴァーシティ・コントラクターズ」の創始者ドン・アスレットが書いた整理本です。

整理することの意義や整理が一般的に難しい理由、ガラクタ(clutter)の見分け方、ガラクタを増やさない方法など、整理に関するトピックが幅広く取り上げられています。


目次
第1章 あなたはこのまま、ガラクタに囲まれた人生を送るのか?
第2章 ガラクタを取っておく「いいわけ」を考察する
第3章 ガラクタは私たちに死をもたらす
第4章 ガラクタにまつわる経済効果を推察する
第5章 家やオフィスの最強整理術
第6章 個人の「宝物」最強整理術
第7章 紙類の最強整理術
第8章 クローゼットの最強整理術
第9章 これ以上ガラクタを増やさないための心得
第10章 あなた自身の最強整理術


本書から私が得た学びのポイントをピックアップしたいと思います。今回は全部で9点です。

1. 人生を生きる上で大切なこと ≠ モノをたくさん持つこと

そもそも人間は、たくさんのモノを抱え、モノに支配されるために生きているわけではありません。やりたいことをやり、楽しみ、大切な人を大切にするために生きているのです

しかし、過剰なモノはそれらの自由を知らず知らずにうちに奪ってしまいます。
手入れが必要なことの多くは、私たちを苦しませ、自由を奪う。本当にしたいことをしたり、楽しむ時間がなくなる。(中略)私たちの心や感情や、人間関係までも抑圧されてしまう。あまりにも多くのモノに囲まれていると、私たちにとって本当に大切な人のための時間もなくなる。
モノは私たちの目の前にあるにすぎないのだが、私たちの頭の中まで侵入してくるようだ。そして、私たちの考える力や、柔軟さを奪う。

2. 整理の意義1 = 大事なことに集中できるようになる

整理された環境は、本当に大切なことに集中することを可能にします。整理された環境を整えることは、雑用や雑務ではなく、本質に近づくのに欠かせない重要な作業です。
人はどんな仕事に取り組んでも、仕事そのものよりも準備に、つまりその仕事をする場所や、道具や必要なモノを探すのに時間をかける。6秒で釘を打てるのに、釘と金槌を探すのに10分かかってしまう
肝心なのは釘を打つことであり、釘を探したり、見つけたりすることではない
ガラクタ捨てに使った時間は、数倍になって帰ってくる。将来、ガラクタで悩み苦しんだりする時間を節約できるのだ。

3. 整理の意義2 = モノを有効に活用できる

モノも知識も、持っているだけでは何の価値もありません。生活の中で実際に使ってこそ価値をもたらします。そのため、私たちは、モノをたくさん持つこと(量)よりも、モノを活用すること(質)を重視しなければなりません
モノは、日常的に使ってこそ価値がある。所有するだけでは、無価値に等しいのだ。
役に立つ価値あるものを持っていても、見つけられないなら、持っていないのと同じだ!
あまり注意も払わず、取っておく目的もないのなら、ただのガラクタである。
実際に使える以上のモノは、ガラクタになる。(中略)私たちは、量ではなく、質を重視しなければならないのだ。

4. 整理のキホン = よく使う場所 + わかりやすい分類

モノをうまく収納するコツは、1)使う場所の近くに置いておくこと2)何がどこにあるのかすぐにわかるようにすることです。
ものは、使う場所の近くに置くようにするとよい。
ものをしまっておくには、ものを分類立て、何がどこにあるのか覚えられるようにするといい。

5. 捨てにくいモノを手放すコツ1:贈り物

「捨てにくいモノ」のひとつに、人からもらった「贈り物」があります。贈り物については、モノそのものではなくもらった事実や気持ちにこそ本質があると考えることで、手放しやすくなります。
贈り物は、贈り主の表現の一部分なのだ。表現したことで、その役割を果たしたといえる。贈り主のメッセージは、私たちの一部となり、これからも私たちと共に生き続けるだろう。
楽しみをもたらし、いい考えを促したり、愛情あるメッセージを運んでくれるのは、モノ自体ではない。記憶や感情は、贈り物の中ではなく、あなたの中にあるのだ。
私は、この考え方を取り入れることでモノを手放すのがずいぶん楽になりました。

6. 捨てにくいモノを手放すコツ2:思い出の品

「思い出の品」も「捨てにくいモノ」のひとつです。これについても、価値はモノそのものにあるのではなく、「ステキな思い出を思い出させてくれる」という価値にあると考えることが有効です。
しばらく取っておいて、思い出をためるのだ。それから愛する人が一番大事にしていたものいくつか保存し、残りは捨てることだ。
思い出は、私たちの持ち物で最も価値がある。記念品や形見を集めれば、薄れゆく思い出を何度もよみがえらせられる。
これらがあなたの生活を豊かにするなら、取っておくべきだ。
捨てる必要のある大きなガラクタを、ひっそりとおけるような小さなガラクタに縮小するのはいい。
思い出の品が大きなモノである場合、必ずしもその全てを取っておく必要はありません。分解して一部だけを残す、あるいは、写真に撮って現物は手放してしまう、というのもひとつです。

7. 捨てにくいものを手放すコツ3:なんとなく捨てられないもの

どうしてもモノを減らせない場合には、「これがなくなったらどうなるだろう?」という質問を自分に投げかけることが有効です。もし、なくなってもそれほど大きな損失がなさそうなのであれば、そのモノは捨ててもかまいません
捨てるべきか、取っておくべきか?(中略)決心がつかなければ、自分に問いかけるのだ。
これがなかったら、私の人生はどうなるだろう?
モノについてではなく、自分自身や人生、自由について考えることだ。

8. モノを増やさないためにできること:モールにはむやみに行かない

ショッピングモールには人を買い物へと駆り立てる誘惑がいっぱいです。どんなものを見ても欲しくならない自信がある場合を除いて、モールにはむやみに足を踏み入れないことが有効です
必要なものがないなら、モールに行ったり、うろついたりしないほうがいい。

9. 大切なのは、自分の価値観で判断すること

モノの価値を決めるのは、世間ではなく他の誰でもなく、自分自身です。人任せでガラクタ整理をすると、自分の価値観が育たず、結局また散らかっていくことになります。

整理された環境を維持するためには、モノの整理をしながら自分の価値観と向き合うことが大切です。
最終評価はあなた次第だ。ガラクタがそうでないかは、あなたが判断するのだ。

・・・以上です。

一言感想

盛りだくさんな内容で、さすが経験豊かなプロが書いた本だという感じがしました。

アメリカと日本とでは家のサイズやモノに対する考え方は大きく異なるかと思うのですが、本書の中にはそのまま参考にできるポイントがたくさんありました。よかったです。

おまけ
著者のドン・アスレット個人の公式サイトとヴァーシテ ィ・コントラクターのサイトはこちら。
Don Aslett's Clearning Resources
Varsity Contractors, Inc.


2011/05/02

木を植えた人 / ジャン・ジオノ 原みち子


木を植えた人」を読みました。

「木を植えた人」は、30年以上もの長い間無人の土地で木を植え続け、やがてひとつの森と町を作った男の物語です。

男の名前はエルゼアール・ブフィエ。一人息子と妻を失った55歳の男性で、「とくにこれといった職業もない身だった」ために「荒地をなんとかしようと決意し」、その後30年以上にわたり、木を植え続けました。

50ページ足らずのとても短いお話ですが、すぐれた絵本がそうであるように主題が非常に明確。生き方について考えさせられる一冊です。

私は子どもの頃に一度読んだことがあるのですが、今回のGWに実家に帰ったときにこの本が目に入り、懐かしさもあって再読しました。改めて読んでも、良かったです。


この物語が私に教えてくれたことを挙げたいと思います。今回は2点です。


1. 積み上げ型の仕事を30年も続ければ大きな仕事になる
木を植えた人・ブフィエがやったのは「どんぐりを拾って、むいて、木を植えにいく」という仕事。作業の難易度だけを見れば誰にでもできそうなごくシンプルな作業です。

しかし、それをコツコツと30年間続けることで、森を作ることができれば町を作ることもできる。これは、どんな仕事も同じことだと思います。単純なことでも心を込めて行えば立派なライフワークになる。


2. 何かを始めるのに遅過ぎることはない
ブフィエが植林を始めたのは50歳を過ぎてからでした。

一般に、年を重ねれば重ねるほど実績や思い出が積み重なり、新しいことを始めるのが難しくなっていきます。私自身も「できない言い訳」をするのが年々得意になってきたような気がしています。。これじゃいかん。

・・・言うはやすく行うのは本当に難しいことですが、いつでも新しいものに挑めるよう、前向きに生きていきたいものです。


・・・以上です。


おまけ
木を植えた人を音読で聴く活動があるそうです。
「木を植えた人」を聴くプロジェクト
「木を植えた人」と同じような話にシュヴァルの理想宮があります。
シュヴァルの理想宮 - Wikipedia

2011/05/01

映画:食べて、祈って、恋をして(Eat Pray Love)



映画「食べて、祈って、恋をして」を観ました。原題はそのまま「Eat, Pray, Love」。

2006年に出版されたアメリカのベストセラー「Eat, Pray, Love: One Woman's Search for Everything Across Italy, India and Indonesia」の映画版にあたるそうです。この「Eat, Pray, Love」はニューヨークタイムズのベストセラーリストに187週にもわたって載り続けたベストセラー中のベストセラーだったそうです。日本で言うなら、オリコンランキングに4年弱も載り続けるようなものでしょうか。

主人公のリズを演じるのは、ジュリア・ロバーツ。


予告編



ストーリー
高い教養と良い夫と理想のキャリア――それらをあわせ持ちながら、幸せを感じられずに毎晩のように泣いていたリズ。そのリズが離婚することを決め、短い失恋を経て、自分を充電するための1年の旅へと出かけます。イタリア、インド、そしてバリ島。それらを巡る旅の中で出会う人々、楽しみ、異なった考え方、発見を通して、リズは自分を見つめ直し、再生への道を歩んでいきます。

こう書くとなんだか重い感じがしますが、映画のトーンはサラッとしておりリラックスして楽しめる映画です。


感想
イチ消費者視点とマーケター視点、両方から見て面白かったです。

私はこの映画がベストセラーの映画化だとは知らないまま観たのですが、共感できる部分が非常に多く、ベストセラーになるのもわかるような気がしました。

「一見充実しているけど、何かが物足りない・・・」
「安定は確保できたけど、もっとワクワク、心躍る体験がしたい・・・」
こういった思いは「満たされた人々」のないものねだり、ぜいたく、甘えだと言ってしまえばそれまでですが、いま、こういう感情が多くの人々の中に存在しているのは事実だと思います。

こういった感情の解消の仕方は人それぞれあると思うので、単純に「旅行に行けば解決」ではないかと思うのですが、サービスとしてこれらの思いに応える旅や体験を提供することはできるんではないかなと思いました。

「その人なりのストーリー」が作れる旅や体験が得られるなら、人はパック旅行以上のお金をそこに支払ってもいいと考えるはずです。


言葉
印象に残った言葉にこんな言葉がありました。

■「ドルチェ・ファール・ニエンテ
Dolce far niente。イタリア語で「何もしないことの喜び」。イタリア人はこれを知っている、と。リズが出会ったイタリア人が言います。

■「それは職業だ 君じゃない」「あなたの言葉を探して」
「自分を表す言葉は何だと思う?」と聞かれたリズが「ライター」と答えたのに対してイタリア人の友人が言った一言。職業(社会への貢献の仕方)とはまた別の「自分を表す言葉」という考え方にハッとさせられました。

■「You have to learn to select your thoughts the same way you select your clothes everyday... Now that's a power that you can cultivate.」
毎日、服を選ぶのと同じように「考えを選ぶ」ということを覚えた方がいい、それこそが君が自分で養える力だ、と。インドで出会った先輩リチャードの言葉。着ている服のように、今日はどんな考えをしているのか、自分の考えを俯瞰する、という考え方。参考になります。

■「Why don't you just let it be
自然に身をゆだねろ、と。これもリチャードの言葉。インドに来てもなかなか瞑想ができずにもがくリズに対して。let it be、なかなか難しいことです。


おまけ
原作者のエリザベス・ギルバートがTEDでスピーチをしています。本人もとてもチャーミングな方のようです。

エリザベス・ギルバート 「創造性をはぐくむには」
その他関連サイト Eat Pray Love Elizabeth Gilvert Official Eat, Pray, Love - Wikipedia 食べて、祈って、恋をして (字幕版)